五感で感じる『二人の心地よさ』パートナーと始める簡単ワーク
日常にある「心地よさ」を、パートナーと見つけませんか?
お子様が独立されて、パートナーと二人で過ごす時間が増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。これからの人生、パートナーと楽しく、心穏やかに過ごしたい。そうお考えになる一方で、毎日の会話がどこか事務的になってしまったり、お互いの時間が独立してしまったりして、「このままでいいのかな」と感じることもあるかもしれません。
パートナーとの関係性をより温かく、豊かなものにしていくために、特別な準備や難しいスキルは必要ありません。大切なのは、日々の暮らしの中に隠れている小さな「心地よさ」に二人で意識を向け、それを分かち合うことです。
私たちは普段、多くの情報を頭で処理していますが、少し立ち止まって「五感」に意識を向けてみると、日常にはたくさんの心地よい瞬間が溢れていることに気づきます。そして、その心地よさをパートナーと共有することで、新しい会話が生まれ、お互いの感じ方を知り、心が通い合う時間を持つことができます。
ここでは、ご自宅で、いつでも気軽に試せる、五感を使った関係性改善ワークをご紹介します。
ワーク1:視覚の「心地よさ」探し
私たちは普段、目で多くの情報を受け取っています。景色や物事だけでなく、パートナーの表情や仕草からもたくさんの情報を受け取っています。このワークでは、「見て心地よいな」と感じるものに意識を向け、それをパートナーと共有します。
目的: 日常の視覚情報から心地よさを見つけ、共有する習慣を作る。 必要なもの: 特にありません。 手順:
- 観察する: パートナーと一緒にいる時、またはご自身の時間の中で、「見ていて心地よいな」「心が安らぐな」と感じるものを意識的に探してみてください。それは、窓の外の景色かもしれませんし、部屋に飾られた花、パートナーの優しい笑顔、本の装丁、お気に入りのカップの色など、何でも構いません。
- 伝える: 心地よいものを見つけたら、パートナーに言葉で伝えてみましょう。「今の夕焼けの色、すごく綺麗で心地よいね」「あなたが笑った時の目尻のシワ、なんだか心地よい温かさを感じるわ」のように、具体的に伝えるのがポイントです。
- 分かち合う: なぜそれが心地よく感じるのか、簡単に理由を話してみましょう。そして、パートナーはどのように感じるのかを聞いてみましょう。お互いの感じ方が同じでも、違っていても、どちらも素敵な発見です。
- 振り返る: 一日の終わりなどに、「今日見て心地よかったもの、何かあった?」と問いかけてみましょう。お互いが気づいた「視覚の心地よさ」をいくつか共有する時間を持つことで、一日の終わりに穏やかな会話が生まれます。
期待される効果: 日常の些細なことへの意識が高まります。パートナーの新しい一面や感じ方を知ることができます。共有する時間が増え、会話のきっかけになります。お互いの存在そのものにも「心地よさ」を見つけやすくなるかもしれません。
ワーク2:聴覚の「心地よさ」探し
普段、耳にしている音に、意識を向けたことはありますか? 鳥のさえずり、雨の音、風の音、お湯が沸く音、そしてパートナーの声や気配。注意深く耳を澄ませると、心地よい音はたくさんあります。
目的: 日常の音から心地よさを見つけ、パートナーと共有する。 必要なもの: 特にありません。 手順:
- 耳を澄ませる: 少し静かな時間を作り、意識的に周囲の音に耳を澄ませてみましょう。家の中、庭、散歩中など、場所は問いません。
- 感じる: 「この音、心地よいな」「聞いていて落ち着くな」と感じる音を見つけてください。
- 伝える: 心地よい音に気づいたら、パートナーにそっと伝えてみましょう。「今の鳥の鳴き声、綺麗で心地よいね」「あなたが隣で本をめくる音、心地よいわ」のように伝えます。
- 共有する: その音について、少し話してみましょう。どんな音なのか、いつから聞こえているのか、その音を聞いてどんな気持ちになるのか。パートナーの感じる音や気持ちも聞いてみましょう。
- リストにする(任意): もしよろしければ、お互いが「心地よい音」と感じるものを書き出してみるのも良いでしょう。二人の「心地よい音リスト」は、日常の静かな時間を持つきっかけになるかもしれません。
期待される効果: 音に対する感度が高まり、日々の生活に新しい発見が生まれます。静かな時間を持つきっかけになり、心が落ち着きます。共有することで共感が生まれ、会話の幅が広がります。
ワーク3:触覚・嗅覚・味覚の「心地よさ」体験
視覚と聴覚に加えて、触覚(肌で感じる)、嗅覚(香りで感じる)、味覚(舌で感じる)も、たくさんの心地よさを運んできてくれます。これらの感覚は、より個人的で、深いレベルで心地よさを感じさせてくれるかもしれません。
目的: 日常の様々な感覚から心地よさを見つけ、パートナーと共有する。 必要なもの: 特にありません(日常の食事や身の回りのもので十分です)。 手順:
- 意識する: 食事の時、温かい飲み物を飲む時、部屋の空気を感じる時、何か物に触れる時など、日常の様々な場面でそれぞれの感覚に意識を向けてみましょう。
- 見つける: 「この味付け、心地よいね」「このお茶の香り、ホッとして心地よいわ」「このタオルの手触り、心地よいね」「暖かな日差しが肌に触れる感覚、心地よいわ」のように、五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を通して心地よさを感じた時に、それに気づいてください。
- 伝える: 感じた心地よさを、言葉にしてパートナーに伝えてみましょう。シンプルに「これ、心地よいね」だけでも構いません。
- 共有する: 余裕があれば、なぜそう感じるのか、どんなところが心地よいのかを話してみてください。パートナーにも同じように感じたことがあるか、またはパートナーにとって心地よい感覚は何かを聞いてみましょう。
- 実践してみる(任意): パートナーが心地よいと感じる香りのもの(アロマなど)を部屋に置いたり、心地よいと感じる肌触りのもの(ブランケットなど)を使ってみたりと、お互いの心地よさを日常に取り入れてみるのも良いでしょう。
期待される効果: 日常生活の質が向上していることに気づけます。五感を意識する習慣がつき、小さな幸せや感謝を見つけやすくなります。共有体験が増え、お互いの好みや感じ方への理解が深まります。
ワークを行う上でのヒント
- 無理せず、楽しむ気持ちで: これは課題ではなく、二人の時間を豊かにするための遊びのようなものです。完璧にやろうとせず、リラックスして取り組んでください。
- 短い時間から始める: 最初から長い時間集中する必要はありません。一日に一つでも、二つでも、心地よいと感じたことを伝えるだけでも十分です。
- 相手の感じ方を尊重する: お互いが心地よいと感じるものは違うかもしれません。大切なのは、違いを認め、相手の感覚を尊重することです。否定的な言葉は避けましょう。
- 日常の中で続ける: 特別な時間を取るのではなく、食事中や散歩中、テレビを見ている時など、日常の中で気づいたら伝えるようにすると、習慣になりやすいです。
- 「心地よさ」だけでなく、他の感覚も: もし慣れてきたら、「少し気になるな」「面白いな」と感じたことなど、他の感覚や気づきを共有してみるのも良いでしょう。ただし、ネガティブな話題ばかりにならないよう注意が必要です。
まとめ:心地よさを重ねることで、二人の関係はより豊かに
五感を使って日々の「心地よさ」をパートナーと見つけ、共有するワークは、特別な道具も場所も必要ありません。ただ少し、意識を向けるだけです。
この簡単なワークを続けることで、日々の生活の中に新しい彩りが見つかり、パートナーとの間に自然な会話が生まれるようになります。お互いがどんなことに心地よさを感じているのかを知ることは、相手への理解を深め、より寄り添い合う関係へと繋がっていきます。
これからの人生を共に楽しく、心穏やかに過ごすために、まずは日々の小さな「心地よさ」を二人で見つけることから始めてみませんか。心地よい瞬間を重ねていくことで、きっと二人の関係はより温かく、豊かなものになっていくことでしょう。
もしよろしければ、今日からパートナーとぜひ試してみてください。