パートナーの「嬉しい」も「困った」も優しく聞く 簡単ワーク
これからの二人時間をもっと豊かに
お子様が独立され、パートナーと二人きりの時間が増えたという方もいらっしゃるかもしれません。これから先の人生を、お互いを大切に、そして共に楽しく過ごしていきたい。そう思われている一方で、「なんだか以前より会話が減ってしまった」「何を話したら良いか分からない」と感じることもあるかもしれません。
長い時間を共にしているからこそ、あえて言葉にしなくても分かり合えることもたくさんあります。それはとても素晴らしいことです。ですが、お互いの「今」感じていることや考えていることを分かち合う機会が減ると、知らず知らずのうちに心が少しずつ離れてしまうこともあります。
これからの日々を、もっと心地よく、もっと心通わせながら過ごすために、二人で気軽に取り組めるワークを取り入れてみませんか。特別な準備は何もいりません。ただ、お互いの心にそっと耳を傾ける時間を持つことから始められます。
今回は、日々の出来事やそれに対する感情を穏やかに分かち合うための簡単なワークをご紹介します。
ワーク:「パートナーの『嬉しい』も『困った』も優しく聞くワーク」
このワークの目的は、日常の小さな出来事を通して、お互いの感情や内面への理解を深めることです。話す側は安心して自分の気持ちを表現でき、聞く側はパートナーの新たな一面を知る機会になります。会話のきっかけ作りとしても有効です。
目的: * 日々の感情(嬉しい、困った、面白かったなど)を安全に共有する。 * お互いの内面や考え方への理解を深める。 * 相手の話に耳を傾け、受け止める力を育む。
必要なもの: 特にありません。話した内容を振り返りたい場合は、簡単なメモ用紙とペンがあっても良いでしょう。
準備: * 二人で落ち着いて話せる時間(例えば、夕食後や就寝前など)を見つけましょう。 * 数分から10分程度、短い時間でも構いません。
具体的な手順:
- 始める合図を決める: 「今日のシェアタイムにしよう」など、二人でこのワークを始めるための簡単な合図を決めます。
- どちらから話すか決める: じゃんけんをしたり、「今日は私から」「今日はあなたから」のように、話す順番を決めます。
- 質問をする: 話を聞く側が、話す側に穏やかな口調で質問をします。例えば、以下のような質問が良いでしょう。
- 「今日、何か嬉しい出来事はありましたか?」
- 「今日、少し困ったな、難しいな、と感じたことはありましたか?」
- 「今日、面白いなと思ったことはありますか?」
- いきなり「嬉しい」「困った」が思いつかなくても、「何か印象に残ったことはありますか?」といった広い質問から始めても構いません。
- 相手の話に耳を傾ける: 話す側は、質問に対して、その出来事や感じたことを自由に話します。聞く側は、相手の話を途中で遮らず、最後まで丁寧に聞きましょう。
- ただ静かに聞くだけでなく、適度に相槌を打ったり、「そうなんだね」「なるほど」と短い言葉を挟んだり、頷いたりすると、相手は話しやすくなります。
- 話を聞きながら、心の中で「この人は今、こんな風に感じているんだな」と、相手の感情に寄り添ってみることを意識してみてください。
- アドバイスや自分の意見を言うのは、相手から求められた場合にだけにしましょう。まずは「聞くこと」に徹します。
- 感謝を伝える: 話し終わったら、「聞かせてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。
- 役割を交代する: 次は役割を交代し、もう一人が話す側、もう一人が聞く側となって、同じように行います。
ワークを続けるためのヒント
- 完璧を目指さない: 毎日行わなくても大丈夫です。週に数回、または気が向いた時に試してみましょう。話す内容が思いつかない日があっても構いません。
- 短時間でもOK: 5分でも良いのです。「今日はこれだけ話せたね」と、できたことを認め合いましょう。
- 安全な場所であること: 話した内容について、後で批判したり、からかったりしないようにしましょう。ここでは何を話しても安全だ、という安心感が大切です。
- 相手の感情を受け止める: たとえ自分には理解できない内容だったとしても、「そういう風に感じたんだね」と、相手の感情や考えを否定せず、そのまま受け止める姿勢が重要です。
- 話したくない時はパス: 無理に話す必要はありません。「今日は話したくないな」という時は、パスできるルールにしておきましょう。
このワークで期待できる効果
このワークを続けることで、以下のような良い変化が期待できます。
- 会話の糸口が増える: 日々の小さな出来事を話す習慣がつき、自然と会話が増えます。
- お互いの理解が深まる: パートナーが普段どんなことに喜びを感じ、どんなことに困っているのかを知ることで、相手への理解が深まります。
- 安心感が生まれる: 自分の気持ちを安心して話せる場があることで、二人の関係に信頼感が生まれます。
- 共感力が育まれる: 相手の話に耳を傾け、感情に寄り添う練習をすることで、お互いの共感力が高まります。
まとめ
パートナーと長く共に歩む人生は、時に新しい課題に直面することもあるかもしれません。しかし、そのような時こそ、お互いに心を開き、寄り添う姿勢が大切になります。
今回ご紹介したワークは、非常にシンプルです。ですが、日々の「嬉しい」や「困った」を分かち合うという小さな積み重ねが、二人の心を繋ぎ止め、これからの人生を共に生きるための確かな土台を築いてくれるはずです。
すぐに劇的な変化がなくても、焦る必要はありません。二人のペースで、楽しみながら続けてみてください。きっと、温かい心通う時間が、二人の間にゆっくりと育まれていくことでしょう。