日々を共に生きるパートナーの頑張りを認め合うワーク
はじめに
お子様が独立され、ご夫婦お二人で過ごす時間が増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。これからの人生を、パートナーと共に心穏やかに、そして楽しく過ごしたいと願う一方で、日々の会話が以前ほど弾まなくなったと感じることもあるかもしれません。
子育て中は、共通の話題や目標が多く、自然と会話が生まれる機会が豊富にあります。しかし、お子様が巣立たれた後、お互いの日常に関心が向きにくくなったり、何を話せば良いか分からなくなったりすることは、多くのご夫婦が経験することです。
このような時期だからこそ、改めてお互いに目を向け、日々を共に生きるパートナーの存在を認め、感謝の気持ちを伝え合うことが、今後の関係性をより豊かにしていくための大切な一歩となります。
ここでは、特別な準備や難しい操作は一切不要な、ご自宅で気軽に取り組める簡単なワークをご紹介します。このワークを通して、お互いの日常の「頑張り」に光を当て、心を通わせる時間を持ってみませんか。
日々を労い合うタイム:ワークの紹介
このワークの目的は、お互いの日常で気づいた「頑張っていること」や「大変なこと」を共有し、認め合い、労いの言葉を掛け合うことです。これにより、お互いの生活への理解が深まり、感謝や尊敬の気持ちが育まれます。
目的
- お互いの日常の隠れた「頑張り」に気づき、知る
- 言葉にして感謝や労いを伝え合う
- お互いを認め合うことで、心のつながりを深める
必要なもの
特にありません。お二人で落ち着いて話せる場所と時間があれば始められます。 (もし、話した内容を書き留めておきたい場合は、ノートとペンを用意しても良いでしょう)
具体的な手順
このワークは、お互いの話を順番に聞き合うシンプルなものです。ぜひ、肩の力を抜いて試してみてください。
- ワークを行う時間と場所を決める
- お互いがリラックスできる時間を選びましょう。夕食後や、週末の少しゆったりした時間がおすすめです。
- テレビを消すなど、集中できる環境を整えましょう。
- まずは「自分の頑張り」を話す
- まず一方の方が、「今日一日(または最近)で、自分が頑張ったな、少し大変だったけれど乗り越えられたな」と感じたことを話します。
- これは、仕事のことでも、家事のことでも、趣味のことでも、どんなに小さなことでも構いません。「いつもより丁寧に掃除をした」「苦手なパソコン作業をやり遂げた」「ウォーキングを欠かさずできた」など、具体的に話すと伝わりやすいです。
- もう一方の方は、ただ静かに、相手の話に耳を傾けてください。途中で口を挟んだり、評価したりせず、まずは最後まで聞くことに集中しましょう。「そうだったんだね」「大変だったね」と、共感を示す相づちは良いでしょう。
- 次に「相手の頑張り」を伝える
- 自分の話が終わったら、今度は相手に対して、「あなたが今日一日(または最近)、頑張っているな」「すごいな」「ありがとう」と感じたことを伝えます。
- これも、具体的な行動や様子を挙げながら伝えると、相手に気持ちがより届きます。「〇〇してくれて、助かったよ、ありがとう」「あなたが△△を頑張っているのを見て、すごいなと思ったよ」のように、具体的に伝えましょう。
- 普段は当たり前だと思っていることの中にも、相手の頑張りや気遣いが隠されているかもしれません。そこにも目を向けてみましょう。
- 聞く側は素直に受け取る
- 相手から自分の頑張りや感謝の気持ちを伝えられたら、「そんなことないよ」と否定したり、「これくらい当たり前」と軽く流したりせず、「ありがとう」と素直に受け止めましょう。照れくさくても、相手の気持ちを受け取ることが大切です。
- 役割を交代して行う
- 一通り終わったら、話す側と聞く側を交代して、同じように行います。
期待される効果
- 会話のきっかけになる: 何を話せば良いか分からないという状況から抜け出し、自然な会話が生まれます。
- お互いの理解が深まる: 相手の日常で見えない努力や気持ちを知ることで、理解と関心が深まります。
- 感謝と尊敬の気持ちが育まれる: 日々の小さな頑張りを認め合うことで、お互いへの感謝や尊敬の気持ちに気づくことができます。
- 心のつながりが強まる: お互いを認め、労い合う温かい時間を持つことで、夫婦としての心のつながりが強まります。
- 自己肯定感の向上: 自分の頑張りをパートナーに認めてもらうことで、自分自身のことも肯定的に捉えられるようになります。
ワークを行う上でのヒント
- 完璧を目指さない: 最初はうまくいかなくても大丈夫です。続けることが大切です。
- 批判やアドバイスはしない: このワークは、お互いを「評価」する時間ではありません。ただ「聞く」「伝える」に徹しましょう。問題解決の場とは切り分けてください。
- 小さなことでもOK: 頑張りは、大きな成果である必要はありません。日々の中で少しだけ力を入れたこと、気を配ったことなど、どんなに小さなことでも構いません。
- 無理のない頻度で: 毎日行うのが難しければ、週に一度、月に数回など、お二人にとって無理のない頻度で続けましょう。
- 照れくさい場合は短い言葉から: 面と向かって伝えるのが照れくさい場合は、「今日の〇〇、ありがとうね」といった短い言葉から始めてみましょう。
- 記録してみる: もし抵抗がなければ、お互いに伝え合った「頑張りリスト」のようなものを簡単なノートに書き留めておくと、後で見返すことができます。
まとめ
お子様が独立され、ご夫婦の関係性は新たなステージに入ります。これまでの役割から少し離れ、改めて「一人の人間」としてお互いに目を向け、認め合う時間は、今後の人生を共に歩む上で非常に価値のあるものです。
今回ご紹介した「日々を労い合うタイム」は、ほんの一例です。このワークを通して、お二人に合ったペースで、お互いを大切にする時間を持つきっかけとなれば幸いです。
日々の小さな「頑張り」に光を当て、労い合うことで、きっとお二人の関係はより穏やかで温かいものになっていくでしょう。これからの人生を、パートナーと共に笑顔で過ごすために、ぜひ試してみてください。