関係性ワークショップ

感謝を伝え合う シンプルな関係改善ワーク

Tags: 感謝, パートナーシップ, 関係改善, 夫婦関係, コミュニケーション

パートナーシップは、時間の経過と共に様々な変化を迎えます。お子様が独立され、パートナーとの時間が増えた方もいらっしゃるかもしれません。それは、お二人で今後の人生をじっくりと過ごすための素晴らしい機会である一方で、「以前より会話が減った」「何を話せばいいのか分からない」といった、新たな課題を感じる時期でもあります。

楽しい時間を共に過ごすためには、お互いの心に通い合う温かい関係性が大切です。しかし、改まって「関係性を変えたい」と言い出すのは、少し気恥ずかしさもあるかもしれません。

ここでは、日々の暮らしの中で自然に取り入れられる、感謝の気持ちを伝え合うシンプルなワークをご紹介します。特別な準備は不要で、お二人のペースで気軽に試すことができます。感謝を表現する習慣は、お互いの存在を肯定し、関係を穏やかに育むきっかけとなるでしょう。

ワーク1:感謝ノートを交換してみましょう

このワークは、普段は照れくさくて口に出せない「ありがとう」や、当たり前になっているパートナーの行動への感謝を、書き出して伝え合うものです。お互いの良いところに改めて気づき、認め合う時間を持つことで、温かい気持ちが生まれます。

目的: * パートナーへの感謝の気持ちを具体的に認識し、表現する。 * お互いのポジティブな側面に焦点を当てる。 * 感謝を伝え合う機会を作る。

必要なもの: * ノートまたは数枚の紙 * ペン

手順:

  1. 準備: お二人それぞれに、ノートまたは紙とペンを用意します。
  2. 感謝を書き出す: 数日間の間、日常生活の中でパートナーに感謝していること、良いなと感じた行動などを思いつくままに書き出してみましょう。大きなことでなくて構いません。「今日の朝ごはん、美味しかったよ」「ゴミ出しをしてくれてありがとう」「疲れているのに話を聞いてくれて助かった」「あなたが笑っているのを見ると嬉しい」など、小さなことでも具体的なエピソードを添えて書くのがポイントです。
  3. ノート(紙)を交換する: お互いに書き終わったら、ノートまたは紙を交換します。交換するタイミングは、静かな夜の時間や週末など、お二人が落ち着いて向き合える時が良いでしょう。
  4. 書かれた感謝を読む: 交換したノート(紙)に書かれている感謝のメッセージを読みます。声に出して読んでも、心の中で読んでも構いません。相手が自分のために書いてくれた感謝の言葉に、じっくりと耳を傾けたり、目を向けたりしてみてください。
  5. 感想を共有する(任意): もし話したくなったら、書かれていたことについて簡単な感想を伝え合っても良いでしょう。「これを書いてくれて、すごく嬉しかったよ」「そんな風に思ってくれていたんだね」など、感じたことを素直に伝えてみてください。感想を話さなくても、ただ受け取るだけでも十分な効果があります。

期待される効果: * お互いへの肯定的な感情が増え、関係が穏やかになります。 * 相手の良い点や努力に改めて気づくことができます。 * 普段の会話では触れないような深い部分での繋がりを感じられます。

ワークを行う上でのヒント: * 完璧を目指さず、思いついた時に書き足すようにしましょう。 * 書くことに慣れていない場合は、最初は箇条書きでも大丈夫です。 * 交換する頻度は、週に一度や月に一度など、無理のない範囲で決めましょう。 * 交換したノートは大切に保管しておくと、後で見返したときに温かい気持ちになれます。

ワーク2:ありがとうを見つける習慣を身につける

このワークは、日常生活の中でパートナーへの感謝を見つけたら、その場で、または後から言葉や態度で伝えることを習慣にするものです。特別な時間を作る必要はありません。日々のふれあいの中で、感謝の気持ちを意識的に表現することで、お互いの絆を強くしていきます。

目的: * 日常の中にある小さな感謝に気づく感度を高める。 * 感謝の気持ちをその場で、または適切なタイミングで伝える習慣をつける。 * お互いを認め合い、支え合う関係を育む。

必要なもの: * 特になし(必要に応じてメモや付箋を使うと良いかもしれません)

手順:

  1. 感謝を意識する: 一日の始まりに、「今日はパートナーのどんなところに感謝できるかな?」と少し意識してみましょう。パートナーの行動や言葉、存在そのものに対して、「ありがとう」と感じられる瞬間を探してみてください。
  2. 感謝を見つける: パートナーが何かをしてくれた時、優しい言葉をかけてくれた時、一緒にいて心地よいと感じた時など、「ありがとう」と思える瞬間を見つけます。
  3. 感謝を伝える:
    • その場で伝える: 可能であれば、その場で「ありがとう」「助かるよ」「嬉しいな」など、言葉や笑顔で感謝を伝えます。
    • 後から伝える: その場で伝えられなかったり、改めて伝えたい場合は、一日の終わりにまとめて伝えたり、メッセージカードやメモに書いて渡したりするのも良いでしょう。
  4. 感謝されたら受け取る: パートナーから感謝の言葉や態度を受け取ったら、「どういたしまして」「気にしないで」といった言葉だけでなく、「ありがとう、嬉しいよ」のように、素直に受け止める姿勢も大切です。感謝は受け取る側も贈る側も温かい気持ちになれます。

期待される効果: * 家庭内の雰囲気がポジティブになります。 * お互いの存在がより大切に感じられます。 * 小さなことでも感謝し合えることで、心の距離が縮まります。

ワークを行う上でのヒント: * 無理にたくさん見つけようとせず、一つから始めてみましょう。 * 言葉で伝えるのが照れくさい場合は、感謝の気持ちを込めた行動(お茶を入れる、肩をもむなど)で示すのも素晴らしい方法です。 * 完璧を目指す必要はありません。時々忘れてしまっても、「また明日から意識してみよう」という気持ちで続けましょう。

ワークを続けるためのヒント

どんなワークも、一度きりではなく続けることで効果を実感しやすくなります。お二人のペースで、楽しみながら続けるためのヒントをいくつかご紹介します。

まとめ:感謝の積み重ねが未来を創る

ご紹介したワークは、どれもシンプルで日常の中に取り入れやすいものばかりです。お子様が独立され、お二人だけの時間が増えた今だからこそ、改めてパートナーシップを見つめ直し、感謝の気持ちを育んでいくことは、今後の人生をより豊かに、そして温かく過ごすための大切な一歩となります。

感謝は、伝えれば伝えるほど、そして受け取れば受け取るほど、お互いの心に温かい光を灯します。小さな「ありがとう」の積み重ねが、やがて揺るぎない信頼と愛情に繋がり、お二人の未来を明るく照らしてくれるはずです。

ぜひ、パートナーと一緒に、楽しみながら試してみてください。