言葉が少なくても深まる絆 パートナーと分かち合う『心の支え』
これからの二人時間、どう過ごしますか?
お子様が独立され、ご夫婦二人の時間が増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。長い時間を共にされてきたパートナーと、これからの人生を一緒に楽しく過ごしたい、そう願っている方もいらっしゃるかもしれません。
一方で、「二人きりになると、昔ほど会話が弾まない」「何を話したら良いか分からない」と感じることもあるかもしれません。無理に会話を増やそうと焦る必要はありません。言葉が少なくても、心穏やかに、そしてお互いの存在を確かに感じられるような関係性は築くことができます。
今回は、そんなお二人のために、特別な準備なしで自宅で簡単に行えるワークをご紹介します。お互いの存在が、どのように日々の心の支えになっているのかを分かち合うことで、言葉を超えた深い絆を再確認し、これからの二人時間をより豊かなものにするヒントを見つけられるでしょう。
【ワーク】お互いの「心の支え」語り合いワーク
このワークは、お互いの存在が自分にとってどのような「心の支え」になっているかを再認識し、それを率直に伝え合うことを目的としています。普段は照れくさくて言えないような感謝や、当たり前だと思っていたことの中に隠された大切な意味に気づくきっかけになります。
目的:
- パートナーの存在価値を再認識し、感謝の気持ちを深める
- 言葉が少なくても、お互いの存在によって心が満たされる体験を共有する
- これからの二人時間に対する安心感やポジティブな期待を育む
必要なもの:
- 二人で落ち着いて話せる静かな時間と場所
- リラックスできる飲み物など(任意)
- 紙とペン(言葉にするのが苦手な場合、任意)
具体的な手順:
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準備をする まずは、お二人でこのワークに取り組む時間を決めましょう。週末の午後や、夕食後など、心穏やかに過ごせる時間帯を選んでください。スマートフォンを遠ざけるなど、気が散るものをなくし、お互いに集中できる環境を整えます。お好きなお茶やコーヒーを用意するのも良いでしょう。
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テーマについて考える それぞれの心の中で、「パートナーのどんなところ、どんな言動、どんな存在そのものが、自分の心の支えになっているか?」というテーマについて考えます。
- 嬉しかった出来事、大変だった出来事を思い出し、その時パートナーがどうしてくれたか
- 日常の何気ない行動の中で、心が安らいだと感じたこと
- パートナーがいるからこそ頑張れること、乗り越えられること
- 言葉にはならないけれど、そばにいるだけで安心できる理由
- 過去のことでも、最近のことでも構いません。具体的なエピソードをいくつか思い浮かべてみましょう。紙とペンがある場合は、思いついたことを箇条書きに書き出してみても良いかもしれません。書くことで考えが整理されることもあります。書くのが苦手な場合は、頭の中でじっくりと考えてみましょう。3つくらい具体的なエピソードがあると、より深く語り合えます。
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お互いにシェアする 考えがまとまったら、お互いにシェアする時間です。どちらから始めても構いません。考えたことや書き出したことを、パートナーに聞いてもらいます。 話を聞く側は、最後まで静かに耳を傾けましょう。途中で口を挟んだり、評価したり、アドバイスをしたりする必要はありません。「そうだったんだね」「聞かせてくれてありがとう」といった相槌で十分です。ただ、パートナーの言葉を、心を込めて受け止めましょう。 シェアは交互に行っても良いですし、一人が全て話し終えてからもう一人が話し始めても構いません。お二人にとってやりやすい方法を選んでください。
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感想を伝え合う お互いにシェアし終えたら、その話を聞いて感じたことをシンプルに伝え合います。「あなたの話を聞いて、とても嬉しかった」「改めて、いてくれることの有り難さを感じたよ」など、素直な気持ちを言葉にしてみましょう。長い言葉でなくても構いません。短い言葉でも、心がこもっていれば十分に伝わります。
ワークを心地よく続けるためのヒント
- 完璧を目指さない: 上手に話そう、立派なエピソードを探そうと気負う必要はありません。心に浮かんだままの、ありのままの言葉で話すことが大切です。
- 小さなことから見つける: 特別な出来事でなくても構いません。毎日の「おはよう」「おやすみ」の声、一緒に食事をする時間、隣でテレビを見ている姿など、日常のささやかなことの中に、心の支えはたくさん隠されています。
- 否定や批判をしない: ワーク中は、お互いの話や感情を否定したり、批判したりしないよう注意しましょう。ここは、お互いの存在を肯定し合うための時間です。
- 無理強いしない: もしパートナーがあまり話したがらないようであれば、無理強いはしないでください。「聞いてもらえただけで嬉しいよ」と伝え、今回は自分が話すだけにするなど、柔軟に対応しましょう。次回、気が向いた時に話してくれるかもしれません。
- 言葉にするのが難しければ: もし口頭で伝えるのが難しければ、紙に書いて渡す方法から始めても良いでしょう。手書きのメッセージは、言葉以上に温かく伝わることもあります。
- 一度きりでなく、時々行う: このワークは一度きりで終わりにする必要はありません。関係性は常に変化していくものですから、数ヶ月に一度など、定期的に行ってみると、その都度お互いの変化や新たな支えに気づくことができます。
ワークを通じて深まる絆
このワークは、言葉数が少なくても、お互いの存在そのものがどれほど大切かを感じるためのものです。派手なイベントや、たくさんの会話がなくても、心が通じ合っているという実感は、これからの二人にとって何よりの宝物になります。
お互いが心の支えであることを知り、分かち合う時間は、日々の暮らしに安心感と温かさをもたらしてくれるでしょう。そして、「この人と一緒に、これからも生きていきたい」という穏やかな確信を、より強いものにしてくれるはずです。
ぜひ、パートナーと二人で、心地よい時間を見つけて試してみてください。