これからの二人 パートナーと「ちょっと困るな」を優しく伝え合うワーク
パートナーと「ちょっと困るな」を共有し、温かい関係を育むために
子供たちが独立し、夫婦二人の時間が増えたという方は多いのではないでしょうか。これまでの慌ただしい日々から一転し、パートナーとじっくり向き合う時間が増えたことで、新鮮な喜びを感じる一方で、「なんだか会話が弾まないな」「以前より一緒にいる時間が増えたのに、心は少し離れているような気がするな」と感じることもあるかもしれません。
これからの長い人生を、パートナーと心地よく、そして楽しく過ごしていくためには、お互いをより深く理解し、支え合える関係を築くことが大切です。そのためには、日常のささいなこと、特に「ちょっと困るな」「これ、苦手なんだよな」といった、普段は口に出しにくいと感じていることも、安心して伝え合える関係性が大きな鍵となります。
この記事では、パートナーと日々の「ちょっと困るな」や「助けてほしいな」を優しく伝え合い、お互いを支え合える関係性を育むための簡単なワークをご紹介します。特別な準備は不要で、ご自宅で気軽に取り組める内容ですので、ぜひパートナーと一緒に試してみてください。
ワーク1:お互いの「ちょっと困るな」を知るリストアップ
このワークの目的は、パートナーの日常にある小さな困りごとや苦手なことを知り、お互いの状況を理解することです。普段意識していない相手の負担に気づくきっかけになります。
準備するもの
- 紙を一人一枚
- ペン
手順
- 紙を用意する: まずは、紙を一人一枚ご用意ください。
- 項目を書き出す: 用意した紙に、あなたの日常で「ちょっと困るな」「これ、苦手なんだよな」と感じることや、「もし誰かが手伝ってくれたら嬉しいな」と思うことを、思いつくままに書き出してみましょう。家事のこと、体のこと、新しいことに挑戦すること、人間関係など、どんなに小さなことでも構いません。「電気の傘を拭くのが億劫だな」「スマートフォンの操作が時々分からなくなるな」「重いものを運ぶのが大変だな」など、具体的に書いてみてください。遠慮せず、素直な気持ちで書き出しましょう。
- リストを交換する: 書き出し終わったら、お互いのリストを交換して見せ合います。
- 内容を共有する: 相手のリストを見て、もし分からないことや、もう少し詳しく知りたいことがあれば質問してみましょう。「これは具体的にどういう時?」など、お互いにリストの内容について簡単に説明し合います。相手の立場になって、どんな気持ちでそれを書いたのかを想像しながら聞くことが大切です。
このワークで期待できる効果
- パートナーの日常的な負担や苦手なことへの理解が深まります。
- 「自分だけが大変なのではないんだな」という安心感を得られることがあります。
- 相手の新たな一面を知るきっかけになります。
ワーク2:リストから「私ができそうなこと」を見つける
ワーク1で知った相手の「ちょっと困るな」に対して、自分にできるサポートを見つけ、具体的な行動につなげるきっかけを作るワークです。
準備するもの
- ワーク1で作成したお互いのリスト
- ペン
手順
- 相手のリストを見る: ワーク1で交換した相手のリストを改めて見てみましょう。
- 「できそう」に印をつける: 相手のリストの中で、「これなら手伝えるかも」「こう関わることができるかも」と思うものに、無理のない範囲で印をつけてみてください。すぐにできる小さなことでも構いません。
- 話し合う: お互いに、印をつけた項目について話し合います。「これなら私が代わりにやろうか?」「これは二人で一緒にやってみようか」「これは私が調べてみようか」など、具体的なサポートのアイデアを出し合ってみましょう。
- これから試すことを決める: 話し合った中で、まずは一つか二つ、「これからの日常で具体的にこうしてみよう」ということを二人で決めてみます。
このワークで期待できる効果
- 具体的な支え合いの行動につながります。
- お互いの得意なことや、助け合えるポイントを再発見できます。
- 「一人じゃない」という気持ちが強まります。
ワーク3:感謝とねぎらいを伝え合う
助け合い、支え合うことへの感謝と、日々の頑張りを認め合うためのワークです。関係性をより温かいものにします。
準備するもの
- 特になし(必要であれば、お互いのリストを見ながら行っても良いでしょう)
手順
- 相手の「頑張り」を思う: ワーク1やワーク2を通じて知った、あるいは普段の生活の中で気づいている相手の「ちょっと困ること」や、それでも「頑張っていること」について少し考えてみる時間を持ちます。
- 言葉で伝える: その思いを、パートナーに言葉で伝えてみましょう。「○○、毎日お疲れ様」「○○が△△してくれるから助かっているよ」「○○、苦手なのに□□を頑張っているね、すごいね」「もし次に△△することがあったら、私が手伝うからね」など、感謝やねぎらい、そして相手を気遣う気持ちを率直に伝えます。
- 日常で意識する: このワークをきっかけに、日々の小さな助け合いや、お互いの頑張りにも意識を向け、その都度「ありがとう」「助かるよ」「お疲れ様」といった感謝やねぎらいの言葉を伝え合うことを意識してみましょう。
このワークで期待できる効果
- お互いの存在への感謝の気持ちが深まります。
- 関係性の中に安心感と温かさが生まれます。
- ポジティブなコミュニケーションが増え、心地よい循環が生まれます。
ワークを行う上でのヒントと注意点
- 無理なく、二人のペースで: これらのワークは、「やらなければならない」ものではありません。できる時に、できる範囲で、無理なく取り組むことが大切です。楽しむ気持ちを忘れずに、二人のペースで行いましょう。
- 完璧を目指さない: リストを全て解決しようと思ったり、全てを手伝おうと思ったりする必要はありません。お互いの状況を知り、共感し合うこと、そして少しでも支え合えることを見つけることが目的です。
- 相手への配慮: 相手のリストを見て、自分にできないことがあっても落ち込んだり、相手を責めたりしないようにしましょう。また、「助けてほしい」と伝える側も、伝えてくれることへの感謝の気持ちを持つことが大切です。
- 継続のヒント: 一度で終わらせず、数ヶ月に一度など、定期的にリストを見直したり、新しい「ちょっと困るな」を共有したりする時間を持つと、変化していく状況にも対応しやすくなります。
まとめ:心地よい「支え合い」が未来を明るくする
パートナーと日々の小さな困りごとや苦手なことを共有し、支え合うことは、これからの長い人生を共に歩む上で、非常に大きな意味を持ちます。正直な気持ちを安心して伝えられる関係性は、お互いの心を軽くし、信頼感を深めます。
これらの簡単なワークを通じて、お互いの日常をより深く理解し、「ちょっと困るな」を「大丈夫だよ」に変えていけるような、温かい支え合いの関係を育んでいただけたら嬉しく思います。二人のペースで、心地よい関係性を築いていってください。