もしも話で広がる二人の世界 パートナーとの想像会話ワーク
お子様が独立され、パートナーと二人で過ごす時間が増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これまでの慌ただしかった日々から少し落ち着き、これからの人生をパートナーとどのように過ごしていくかを考える良い機会かもしれません。
しかし、「いざ二人きりになると、何を話せばいいのか分からない」「会話が減ってしまったように感じる」というお悩みをお持ちの方も少なくないようです。長年連れ添ったパートナーだからこそ、改めて改めて話すことがない、と感じてしまうのかもしれません。
今後の人生を共に、より楽しく、心豊かに過ごしていくために、パートナーとの関係性を再構築することはとても大切です。そのためには、日々の小さな会話から生まれる心の繋がりを育んでいくことが有効な一歩となります。
ここでは、特別な準備やスキルは一切不要で、ご自宅で気軽にできる「もしも話」を使った会話のワークをご紹介します。日常から少し離れた想像の世界に浸ることで、お互いの意外な一面を知り、会話を弾ませるきっかけになるかもしれません。
もしも話で広がる想像の世界ワーク
このワークは、「もしも〇〇だったら、どうする?」という問いかけを通じて、パートナーの考えや願望、価値観に触れることを目的としています。非日常的な想像は、普段の生活ではなかなか出てこないような話を引き出し、会話に新鮮な風を吹き込んでくれるでしょう。
目的: * 日常的な会話のネタ不足を解消し、話すきっかけを作る。 * お互いの隠れた願望や価値観、意外な一面を知る。 * 一緒に想像する過程を楽しむことで、二人の時間を活性化する。 * 相手の考えに興味を持つことで、お互いへの理解を深める。
必要なもの: * 特にありません。二人がリラックスして話せる時間と場所があれば十分です。もし話を書き留めておきたい場合は、紙とペンをご用意ください。
手順:
- リラックスできる時間を作る: 二人が落ち着いて話せる時間を選びましょう。食後のゆっくりした時間や、休日の午後などがおすすめです。お茶でも飲みながら、ゆったりとした気持ちで行ってみてください。
- ワークの開始を伝える: 「ちょっと面白いワークがあるんだけど、一緒に『もしも話』をしてみない?」などと気軽にパートナーに声をかけてみましょう。堅苦しく考えず、「ちょっとしたゲーム感覚でやってみよう」というくらいの気持ちで始めるのがポイントです。
- 「もしも」のテーマを一つ選ぶ: 用意した「もしも」のテーマの中から、一つを選びます。テーマはいくつか後ほどご紹介します。
- テーマについてそれぞれ話す: 選んだテーマについて、まずは一人が「もしも自分だったらこうする(こう思う)」という話をしてみましょう。話す時間は気にせず、自由に、思ったままを言葉にしてみてください。
- 相手の話をじっくり聞く: もう一人は、相手の話を「なるほど」「そう考えるんだね」と相槌を打ちながら、否定せずに最後までじっくり聞きましょう。途中で質問したくなったら、「それってどういうこと?」など優しく尋ねてみてください。
- 役割を交代して話す: 今度は話す側と聞く側を交代し、もう一人が同じテーマについて自分の考えを話します。
- 簡単な感想を伝え合う: 二人とも話し終えたら、「〇〇さんの話、面白かったよ」「そういう風に考えるんだね、知らなかったな」といった簡単な感想を伝え合ってみましょう。深い分析は不要です。
- 別のテーマで繰り返す(任意): もしまだ話したい気持ちがあれば、別の「もしも」のテーマを選んで、同じ手順を繰り返してみましょう。
「もしも」のテーマ例:
- もし宝くじが当たったら、何に使いますか?(金額を具体的に設定しても良いでしょう)
- もし時間を気にせず1週間旅行に行けるなら、どこに行き、何がしたいですか?
- もし好きな時代にタイムマシンで行けるなら、いつの時代に行き、誰に会ってみたいですか?
- もし一つだけ魔法が使えるとしたら、どんな魔法を使ってみたいですか?
- もし動物に生まれ変わるなら、どんな動物になりたいですか?
- もし自分の家以外に住むとしたら、どんな場所に住んでみたいですか?
- もし有名人に一日だけなれるとしたら、誰になって何をしてみたいですか?
- もし宇宙に行けるなら、どこに行き、何を見てみたいですか?
これらのテーマはあくまで一例です。二人の共通の興味に基づいた「もしも」を考えてみても良いでしょう。例えば、もし好きな映画の世界に入れるなら、もし好きな歴史上の人物に会えるなら、など、二人がピンとくるテーマを見つけてみてください。
ワークを行う上でのヒント:
- 楽しむことを一番に: これは「正解」を探すワークではありません。二人で想像の翼を広げ、その過程を楽しむことが最も大切です。
- 否定しない: 相手の「もしも」の考えを「そんなこと無理だよ」「つまらない」などと否定したり、評価したりするのは避けましょう。どんな突飛な想像でも、まずはそのまま受け止める姿勢が、安心して話せる雰囲気を作ります。
- 興味を持つ: 相手の話に興味を持ち、「へえ、そうなんだ」「もっと詳しく聞かせて」といった姿勢で聞くことで、会話が深まります。
- 無理強いしない: もし相手が特定のテーマについて話したがらないようであれば、無理強いせず別のテーマに移りましょう。
- 短い時間から: 最初は1つのテーマで5分程度でも構いません。慣れてきたら、少し時間を長くしたり、テーマを増やしたりしてみましょう。
- 普段の会話に繋げる: ワークで話した内容が、その後の日常会話のきっかけになることもあります。「そういえば、この前〇〇さんが宝くじ当たったらって言ってたけど…」のように、思い出して話してみるのも良いでしょう。
まとめ
「もしも話」は、日常の延長線上にはない、少し浮き世離れした話題だからこそ、気兼ねなく話せる不思議な力を持っています。お互いの意外な一面や、心の中に秘めている願望、大切にしている考えなどが垣間見えることで、長年一緒にいても「そうだったんだ!」という新しい発見があるかもしれません。
また、二人で同じ想像の世界に入り込み、一緒に笑ったり、驚いたりする時間は、心地よい共有体験となります。こうした時間が積み重なることで、会話の量は自然と増え、心の距離もぐっと近づいていくのを感じられるでしょう。
今後の人生を共に歩むパートナーと、より深く分かり合い、心から笑い合える時間を持つために、ぜひこの「もしも話」ワークを二人の生活に取り入れてみてください。きっと、毎日の何気ない時間が、これまで以上に豊かなものになるはずです。