「あれ?なんか違う」に気づく パートナーの小さな変化を伝えるワーク
子供が巣立った後、パートナーとの関係を心地よく保つために
お子様が独立され、ご夫婦二人の時間が増えたという方もいらっしゃるかもしれません。これまでの生活とは異なり、パートナーと向き合う時間が増える中で、「以前のように会話が弾まないな」「今後の人生を、どうすればもっと楽しく、二人で心地よく過ごせるのだろう」と、ふと感じることがあるかもしれません。
これから先の長い日々を共に歩むパートナーとの関係は、私たちにとってかけがえのないものです。大掛かりなことをしなくても、日々の小さな工夫で、お互いの心はぐっと近づくことができます。
この記事では、日々の生活の中でパートナーの「小さな変化」に気づき、それを優しく言葉にして伝える、 simple なワークをご紹介します。このワークを通じて、お互いへの関心を示し、自然な会話のきっかけを作り、関係をより温かいものにしていくヒントを見つけていただけることを願っています。
ワーク:「パートナーの小さな変化」伝え合い
このワークの目的は、日々の暮らしの中で、つい見過ごしてしまいがちなパートナーの「小さな変化」に意識を向け、それを言葉にして伝えることで、お互いの存在を大切に思っている気持ちを伝え合うことです。特別な準備は一切いりません。必要なのは、ほんの少しの「気づこう」という意識だけです。
ワークの目的
- パートナーへの関心を示し、見ていることを伝える。
- 日常の中に会話のきっかけを作る。
- お互いの変化を受け入れ、認め合う機会とする。
- 感謝や気遣いの気持ちを伝えやすくする。
必要なもの
- 特にありません。強いて言えば、パートナーを少しだけ意識して見る「心のゆとり」です。
具体的な手順
このワークは、決まった時間に行う必要はありません。日々の生活の中で、自然な流れの中で取り入れてみてください。
ステップ 1:パートナーを「意識して見る」時間を持つ
普段、一緒にいるのが当たり前になっていると、改めて相手をじっくり見つめる機会は少ないかもしれません。朝起きた時、食事中、テレビを見ている時、帰宅した時など、ほんの数秒でも良いので、パートナーの様子を少し意識して見てみましょう。
ステップ 2:「小さな変化」を探す
パートナーを観察する際に、「あれ?なんか今日いつもと違うな」と感じる「小さな変化」を探してみましょう。
- 外見の変化: 髪型や服装、アクセサリー、持ち物などがいつもと少し違う、新しいものになっている、など。
- 例:「あれ、そのシャツ、前と違うかな?いいね」「髪、少し短くした?スッキリしてて素敵だよ」
- 表情や様子の変化: いつもより元気そう、少し疲れているように見える、楽しそうに何かしている、など。
- 例:「今日、なんだか嬉しそうだね。何か良いことあった?」「ちょっとお疲れみたいだけど大丈夫?」
- 行動や習慣の変化: 普段は読まないジャンルの本を読んでいる、新しい習い事を始めたらしい、朝の散歩のコースを変えたようだ、家事のやり方が少し変わった、など。
- 例:「最近、その本をよく読んでるね。面白い?」「前はしなかったのに、最近これを始めたんだね」
- 持ち物や環境の変化: 机の上に新しいものが増えている、スマホの待ち受け画面が変わった、など。
- 例:「そのスマホケース、新しい?可愛いね」「お部屋のあの場所、少し変わったね」
「変化」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、本当に些細なことで構いません。「今日はいつもより早く起きたみたいだな」「新しいマグカップを使ってるな」といった程度のことでも十分です。否定的な視点ではなく、あくまで「観察」する気持ちで見つめましょう。
ステップ 3:見つけた変化を「優しく言葉にする」
変化に気づいたら、それをパートナーに伝えてみましょう。伝える際は、責めるような口調や、問い詰めるような言い方ではなく、あくまで「気づいたよ」「あなたのことを見ているよ」という温かい気持ちが伝わるように心がけてください。
「〜に気づいたんだけど」 「〜、前と違うね?」 「〜してるの、初めて見たよ」
のように、事実を伝えることから始めても良いですし、それが好ましい変化であれば褒める言葉を添えても良いでしょう。相手を気遣う変化であれば、「大丈夫?」と優しく尋ねる形でも良いかもしれません。
ステップ 4:パートナーの反応に耳を傾ける
あなたが伝えたことに対して、パートナーがどのように答えるか、静かに耳を傾けてみてください。「よく気づいたね」と嬉しそうに話してくれるかもしれませんし、「あ、うん、そうだよ」と simple な返事かもしれません。どんな反応であっても、それを受け止めましょう。ここから会話が広がることもあれば、広がらないこともあるでしょう。それは自然なことです。大切なのは、「気づいて伝えた」というあなたの行動そのものです。
ワークを行う上でのヒントと続けやすくする工夫
- 完璧を目指さない: 毎日行う必要はありません。週に一度、月に数回でも、意識する機会を持つことから始めましょう。
- ネガティブな変化は慎重に: 体調の変化など、気遣いが必要な変化には優しく触れることは大切ですが、見た目の変化などに対して批判的なニュアンスで伝えるのは避けましょう。「どうしたの?疲れてるんじゃない?」のような気遣いは良いですが、「また太った?」のような指摘は関係を損なう可能性があります。最初は、褒められる変化や、単なる事実を伝える練習から始めるのがおすすめです。
- 自分のことも伝えてみる: パートナーに気づいてほしい「小さな変化」があれば、自分から伝えてみるのも良いでしょう。「今日ね、前からやってみたかったことを始めてみたんだ」のように、自分の変化を話すことで、パートナーもあなたに興味を持ちやすくなります。
- お互いに感謝する: もしパートナーもあなたの変化に気づいて伝えてくれたら、「ありがとう、よく気づいてくれたね」と感謝の気持ちを伝えましょう。そうすることで、お互いに「気づくこと」の価値を感じられます。
- ゲーム感覚で楽しむ: 硬く考えすぎず、「今日のパートナーの『いつもと違うところ』は何だろう?」と、少しゲーム感覚で探してみるのも良いかもしれません。
このワークから生まれること
この「小さな変化」伝え合いワークは、一見すると些細なことのように思えるかもしれません。しかし、これを続けることで、二人の間には穏やかで確かな変化が生まれてきます。
- 会話が増える: 気づいたことを言葉にすることで、自然と会話の糸口が増えます。「なぜそうしたのか」「それについてどう思うか」など、話が広がるきっかけになります。
- お互いへの関心が高まる: 相手を意識して見る習慣がつくことで、自然とお互いへの関心が高まります。「この人は今、どんなことに興味があるのかな」「どんな様子かな」と、相手の日常に寄り添う気持ちが生まれます。
- 安心感と信頼感が生まれる: 「自分のことを見てくれている」「気にかけてくれている」と感じることは、相手に安心感と自己肯定感を与えます。それは、お互いの存在をより深く信頼することにつながります。
- 関係がマンネリ化しにくくなる: 日々の中に小さな発見があることで、関係が停滞することなく、新鮮な気持ちでお互いと向き合うことができます。
まとめ
子供が巣立った後の人生は、パートナーと改めて向き合い、二人の関係を再構築する大切な時期です。派手なイベントや難しいスキルは必要ありません。日々の暮らしの中にある「小さな変化」に気づき、それを優しく言葉にして伝え合うこと。この simple なワークは、今後の人生を共に楽しく、そして心豊かに過ごすための、温かいコミュニケーションの土台となります。
無理なく、二人のペースで、このワークを生活の一部に取り入れてみてください。きっと、パートナーとの間に流れる時間が、これまで以上に穏やかで、心地よいものに変わっていくのを感じていただけるはずです。
この記事が、パートナーとの関係をより良くしていくための一助となれば幸いです。