二人の絆を育む お互いの「素敵」を見つけ合うワーク
人生の様々な段階を経て、パートナーとの関係も変化していくことがあります。お子様が独立され、夫婦二人の時間が増えたことで、以前とは違う時間の流れを感じていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。会話の機会はあっても、なんとなく話が弾まなかったり、何を話せばいいのか分からなくなったりすることもあるかもしれません。
これからの人生を共に、より心豊かに過ごすためには、お互いの存在を改めて見つめ直し、大切に思い合う気持ちを育んでいくことが大切です。大げさなことではなく、日々の暮らしの中で少し意識を変えたり、簡単なワークを取り入れたりするだけで、関係性は温かく変化していく可能性があります。
ここでは、お互いの良いところや魅力を再発見し、伝え合うことで、二人の間の温かい絆を育むための、誰でも簡単に実践できるワークをご紹介します。特別な準備は何もいりません。お二人のペースで、ぜひ気軽に取り組んでみてください。
ワーク1:お互いの「素敵リスト」を作ってみましょう
このワークは、パートナーの良いところや感謝していること、魅力的だと感じるところなどを改めて書き出してみることで、相手への肯定的な気持ちを再認識することを目的としています。
目的: パートナーの魅力や良い行動に改めて気づき、感謝の気持ちを育む。 必要なもの: 紙とペン(お一人ずつ用意してください) 手順:
- 各自でリストを作成する時間を持つ: 静かな場所で、お一人ずつ紙とペンを持ちます。パートナーの顔を思い浮かべながら、「素敵だな」と感じる点、感謝していること、尊敬できるところ、一緒にいて心地よいと感じる理由などを自由に書き出してみましょう。些細なことでも構いません。「いつもありがとう」「こういうところが好きだな」「〇〇してくれるのが嬉しい」など、思いつくままにリストアップしていきます。箇条書きで大丈夫です。書き出す項目数に制限はありません。
- リストを交換し、声に出して読んでみる: リストができたら、お互いのリストを交換してみましょう。そして、パートナーが自分について書いてくれた内容を、心の中で、あるいは声に出して読んでみます。パートナーが自分のどんなところに気づいてくれているのかを知る時間です。
- リストについて話し合う: リストを読んだら、それについて少し話し合う時間を持ちましょう。「ここを素敵だって思ってくれてたんだね、嬉しいよ」「〇〇してくれてることに、そんな風に思ってたんだ」など、感じたことを率直に伝え合ってみてください。相手の言葉に耳を傾け、受け止めることが大切です。
期待される効果: このワークを行うことで、普段は言葉にしない(あるいは意識していない)お互いの良い点に改めて光を当てることができます。相手へのポジティブな関心が高まり、感謝や尊敬の気持ちが自然と湧いてくるでしょう。リストを交換し、話し合うことで、お互いへの理解が深まり、温かい気持ちが生まれます。
ワーク2:「今日のありがとう・今日の素敵」を伝え合う時間
このワークは、日々の生活の中でパートナーの良い行動や存在に対する感謝や肯定的な気持ちに気づき、それを言葉にして伝え合う習慣をつけることを目的としています。
目的: 日常的な感謝やポジティブな気持ちを言葉にして伝え合う習慣を身につける。 必要なもの: 特になし(慣れるまでは簡単なメモ帳やノートを使っても良いでしょう) 手順:
- 時間と場所を決める: 一日の終わり、例えば夕食後や寝る前など、落ち着いた時間に二人で向かい合って座る時間を作りましょう。毎日でなくても、週に数回など、無理のないペースで構いません。
- 「今日のありがとう」を伝え合う: まず、一日の中でパートナーに「ありがとう」と思ったことを伝え合います。具体的な行動に対して感謝を伝えるのが効果的です。「〇〇してくれてありがとう」「あの時、△△って言ってくれて嬉しかったよ」のように、何についての感謝なのかを明確に伝えるようにしましょう。
- 「今日の素敵」を見つける(任意): 感謝に加えて、「今日の素敵」や「今日の良いところ」などを伝え合う時間も設けてみましょう。「今日着ていた服、似合ってたね」「〇〇に一生懸命取り組む姿、いいなと思ったよ」「話を聞いてくれて、安心したよ」など、相手の行動や様子、存在そのものに対する肯定的な気持ちを言葉にします。
- 相手の言葉を受け止める: 伝えられた側は、ただ「ありがとう」と受け止めましょう。言い訳をしたり、照れてごまかしたりせず、素直に相手の気持ちを受け取ることが大切です。
期待される効果: このワークを続けることで、日々の暮らしの中にある小さな幸せや、パートナーの素晴らしい面に気づく習慣が身につきます。感謝や肯定的な言葉が増えることで、お互いの自己肯定感が高まり、二人の間に安心感と温かい雰囲気が生まれます。毎日のちょっとした会話のきっかけにもなり、話が弾むようになるかもしれません。
ワークを続けるためのヒント
- 気楽に始める: あまり構えすぎず、「遊びのようなものだ」くらいの気持ちで始めてみましょう。完璧を目指す必要はありません。
- 小さなことから見つける: 大それたことでなくても大丈夫です。「靴を揃えてくれた」「お茶を入れてくれた」「話を聞いてくれた」など、日常のささやかなことの中にこそ、感謝や素敵はたくさん隠されています。
- 正直な気持ちを伝える: 心から思ったことを、素直な言葉で伝えましょう。飾らない言葉の方が、相手の心に響きます。
- 「ねばならない」にしない: 毎日必ずやらなければいけない、というルールにしてしまうと負担になることがあります。無理のないペースで、できる時に行うようにしましょう。習慣になると、自然とできるようになります。
- 変化を楽しむ: すぐに大きな変化がなくても大丈夫です。ワークを続ける中で、少しずつお互いへの見方が変わっていく、気持ちが温かくなっていく、といった小さな変化を楽しんでください。
まとめにかえて
お子様の独立は、夫婦にとって新たなスタート地点とも言えます。これからの人生を二人でどう歩んでいくか、どんな時間を共有していくか、改めて考えてみる良い機会かもしれません。
今回ご紹介したワークは、パートナーの良いところに光を当て、それを伝え合うことで、お二人の間の温かい感情や絆を再確認し、育んでいくためのものです。難しいテクニックは必要ありません。ただ、お互いを思いやる気持ちと、少しの勇気をもって言葉にしてみること。それだけで、日々の会話に新しい彩りが加わり、お互いの存在がより大切なものに感じられるようになるでしょう。
焦らず、お二人のペースで、ぜひ楽しみながら取り組んでみてください。このワークが、これからの長い人生をパートナーと笑顔で過ごすための、ささやかだけれど確かな一歩となることを願っています。