パートナーと『日々の小さな支え合い』を見つけ合うワーク
導入:増えた二人時間、どう過ごしますか?
お子さんが独立され、パートナーと二人きりの時間が増えた方もいらっしゃるかもしれません。これまでの子育て中心の生活から変化し、これから先の人生をどのようにパートナーと共に歩んでいくか、改めて考え始める時期かもしれません。
パートナーとの会話が以前より少なくなった、何となく時間を持て余してしまう、といったお悩みを抱えている場合もあるでしょう。長い時間を共に過ごしてきたからこそ、改めてお互いの心に寄り添い、関係性をより豊かなものにしていくことが大切になります。
特別なことではなく、日々の暮らしの中に隠れている「小さな支え合い」に目を向けてみませんか?私たちは日々、意識しないうちにパートナーに支えられ、またパートナーを支えています。それに気づき、言葉にすることで、二人の間に温かい繋がりが生まれます。
この記事では、ご自宅で簡単に実践できる、日々の小さな支え合いを見つけ合い、感謝を伝え合うためのワークをご紹介します。難しい準備や特別なスキルは一切必要ありません。心穏やかに、パートナーシップを深めるための一歩を踏み出しましょう。
ワーク1:『支え合い発見』書き出しワーク
このワークは、お互いが日々の生活の中で、知らず知らずのうちに行っている「支え合い」に気づくことを目的とします。
目的
- 日々の当たり前の中に隠れた、パートナーからの支えに気づく
- 自分がパートナーをどのように支えているかを再認識する
- お互いの貢献を認め合い、感謝の気持ちを持つ
必要なもの
- 紙(ノートやメモ用紙でも良いです)
- ペン
手順
- 各自でリストアップする時間を持つ(10分〜15分程度)
- パートナーと向き合う前に、まずは一人で落ち着いて考えましょう。
- 紙の上部に「パートナーに支えられていること」と書きます。日々の生活の中で、パートナーがしてくれていること、言ってくれた言葉、存在そのものなど、どんな小さなことでも構いません。「朝食を用意してくれる」「私の話を黙って聞いてくれる」「体調を気遣ってくれる」「一緒に笑ってくれる」「そこにいてくれるだけで安心する」など、思いつくままに書き出してみましょう。
- 次に、紙の下部、または別の紙に「パートナーを支えていると思うこと」と書きます。あなたがパートナーのためにしていること、心がけていることなどです。「夕食を作っている」「話を聞いてあげている」「気分転換になるように誘う」「家事を分担している」「健康に気を配っている」など、これもどんな小さなことでも構いません。気恥ずかしいかもしれませんが、素直に書き出してみましょう。
- リストを交換して読む(各自5分程度)
- お互いに書き出したリストを交換します。
- 相手のリストを声に出して、または心の中で静かに読んでみましょう。読んでいる間は、途中で口を挟まず、相手が何を感じ、考えたのかを受け止めることに集中します。
- 感想や補足を伝え合う(10分〜15分程度)
- リストを読み終えたら、お互いに感想を伝え合いましょう。
- 「これを読んで、〜ということに気づきました。ありがとう」「これは、自分では意識していなかったけれど、そう思ってくれていたんですね」「これは、あなたが〇〇してくれた時のことだね」など、感じたことや、リストに書かれた内容について補足したいことを話します。
- 「私があなたを支えていること」リストについて話す時も、「これを支えになっていると思ってくれていたら嬉しいなと思って書きました」「これは、あなたの△△な姿を見て、少しでも力になれたらと思ってしたことです」のように伝えてみましょう。
ワークの効果
このワークを通して、日々の生活の中に無数の「支え合い」が存在することに気づけます。自分が相手に支えられていること、そして自分が相手を支えていることを具体的に認識することで、お互いへの感謝の気持ちが自然と湧き上がり、絆が深まるのを感じられるでしょう。また、「当たり前」と思っていたことにも、実は相手の温かい思いやりが込められていることに気づくきっかけにもなります。
ワーク2:『感謝の付箋』交換ワーク
ワーク1で見つけた「日々の小さな支え合い」に対する感謝の気持ちを、短いメッセージにして伝え合うワークです。
目的
- 具体的な感謝の気持ちを、気軽に伝え合う習慣をつける
- 感謝の言葉を通して、お互いの存在を肯定し合う
必要なもの
- 付箋(小さなメモ用紙でも良いです)
- ペン
手順
- 付箋に感謝のメッセージを書く
- ワーク1で書き出した「パートナーに支えられていること」リストを見返しても良いですし、その日にパートナーがしてくれたことで感謝したいと思ったことでも構いません。
- 付箋に「〇〇してくれてありがとう」「△△なところが助かるよ」「あなたの◇◇なところに元気をもらっているよ」など、感謝の気持ちと、具体的に何に対する感謝なのかが分かるように、短いメッセージを書きましょう。丁寧語を使い、「〜です」「〜ます」で書くと温かい印象になります。
- 例:「今日の朝ごはん、とても美味しかったです。ありがとう」「私の話をいつも聞いてくれてありがとう。心が軽くなります」「疲れているのに、ゴミ出ししてくれて助かります。ありがとう」
- メッセージを交換する、または相手に見える場所に置く
- メッセージを書いた付箋を、パートナーに直接手渡す、テーブルの上に置く、冷蔵庫に貼るなど、相手が気づくような場所に置いてみましょう。
- お互いにメッセージを書いたら、一緒に読んで感想を言い合っても良いですし、自然なタイミングで相手が読んでくれるのを待つのも良いでしょう。
- 続ける(任意)
- 一度きりではなく、例えば「週に一度、感謝の付箋を交換する日を決める」など、習慣にしてみるのも良いでしょう。
ワークの効果
短いメッセージでも、具体的な感謝の言葉は相手の心を温かくします。普段は照れくさくて言えないことも、付箋という形にすることで伝えやすくなるかもしれません。このワークを続けることで、日々の感謝に目を向ける習慣がつき、お互いの存在をより大切に感じられるようになるでしょう。言葉の力で、二人の関係がさらに深まります。
ワークを行う上でのヒントと注意点
- 完璧を目指さない: 最初から上手くできなくても大丈夫です。まずは試してみることから始めましょう。
- 短い時間で気軽に: 長時間をかける必要はありません。数分でも構わないので、日常生活の中に無理なく取り入れられるタイミングで行いましょう。
- 無理強いしない: パートナーが乗り気でない場合は、無理強いせず、まずは自分一人でワーク1のリストアップだけをしてみるなど、できることから始めてみましょう。あなたの変化を見て、相手も興味を持つかもしれません。
- ポジティブな面に焦点を当てる: このワークは、お互いの良いところ、支え合っているところに目を向けるためのものです。不満や改善点を述べる場ではないことを理解しておきましょう。
- 継続は力なり: 一度きりではなく、繰り返し行うことで、より効果を感じられるでしょう。
まとめ:日々の「支え合い」が二人を強くする
子供が独立し、パートナーとの二人の時間が増えた今だからこそ、改めてお互いの関係を見つめ直す良い機会です。日々の小さな支え合いに目を向け、感謝を伝え合うことは、特別なことのように思えるかもしれませんが、実は私たちの関係をより温かく、強くするためのとても大切な一歩です。
ご紹介したワークは、どれも簡単なものばかりです。紙とペン、あるいは付箋があれば、今日からすぐにでも始められます。
これらのワークを通して、お互いの存在がいかに心強い支えになっているかに気づき、感謝の気持ちを伝え合うことで、二人の絆はさらに深まるでしょう。これからも続く人生を、パートナーと共に心穏やかに、そして楽しく過ごすために、日々の小さな支え合いを大切にしてください。お互いを労り合い、感謝し合うことで、二人の毎日がより豊かなものになることを願っています。