パートナーと「今日」を語り合う 簡単会話ワーク
子供独立後の夫婦関係、会話は弾んでいますか?
お子様が巣立たれ、パートナーと二人きりの時間が増えた方もいらっしゃるかと思います。これからの人生を共に歩むパートナーとの時間を、より豊かで意味のあるものにしたい。そうお考えになるのは自然なことです。
しかし、いざ二人きりになると、昔のように会話が弾まない、何を話せば良いのか分からない、というお悩みを抱える方も少なくありません。特に長年連れ添った夫婦の場合、お互いのことは分かり合っていると思い込み、あえて言葉にして伝え合う機会が減ってしまうことがあります。
今後の人生を楽しく、心穏やかに過ごすためには、お互いの心に寄り添い、改めて関係性を育んでいくことが大切です。大げさなことや難しいことをする必要はありません。日々の生活の中で、少しずつでもお互いを理解し、心の繋がりを深めるための時間を意識して持つことから始めてみませんか。
この記事では、パートナーと「今日」という一日を分かち合う、とても簡単で実践しやすい会話ワークをご紹介します。特別な準備は一切不要ですので、ぜひお気軽にお試しください。
今日を語り合うワーク:目的と期待される効果
このワークの目的は、日々の小さな出来事を共有することを通じて、お互いの日常への関心を再確認し、自然な会話の習慣を育むことです。
期待できる効果としては、以下のような点が挙げられます。
- 会話のきっかけが生まれる: 毎日のルーティンとして取り入れることで、「何を話そう」と悩む時間を減らせます。
- お互いの日常を知る: パートナーが一日をどのように過ごしたのか、どんなことを感じたのかを知ることで、より相手を身近に感じられます。
- 親近感と安心感の醸成: 小さな出来事を共有し、聞いてもらうことで、お互いの存在がより一層心強いものになります。
- ポジティブな側面に目を向ける習慣: 問いかけによっては、日々の生活の中にある「良いこと」「感謝すること」に意識的に目を向ける機会が生まれます。
簡単実践!「今日を語り合う」ステップ
このワークに必要なものは何もありません。もし、後で見返したい、という場合は、メモ帳やノート、ペンを用意しても良いでしょう。
行う時間帯は、お二人がリラックスできる夕食後や寝る前などがおすすめです。毎日行うのが難しければ、週に数回など、お二人のペースで始めてみてください。
ステップ1:時間を決める まず、「今日」を語り合う時間を決めます。例えば「夕食後、片付けが終わって一息ついた時」や「寝る前にベッドに入ってから」など、お二人が落ち着いて話せる時間帯を選びましょう。時間は5分から10分程度でも十分です。
ステップ2:話すテーマを決める(問いかけリストの活用) 話のきっかけとして、以下のようなシンプルな問いかけを順番に行います。毎回同じテーマでも良いですし、日替わりで変えてみるのも変化があって楽しいかもしれません。
- 「今日一番嬉しかったことは何ですか?」
- 「今日、誰かに感謝したことはありますか?」
- 「今日、何か新しい発見や気づきはありましたか?」
- 「今日、少し大変だったことは何ですか?(もしあれば、軽くで大丈夫です)」
- 「今日食べたもので、一番美味しかったものは何でしたか?」
- 「今日、思わず笑ってしまった出来事はありますか?」
最初は少し照れくさいかもしれませんが、「今日は〇〇さんとこんな話をしたよ」「スーパーで面白いものを見つけたんだ」など、本当にささいなことで構いません。
ステップ3:お互いの話を「聞く」 話すことと同じくらい、またはそれ以上に大切なのが「聞く」ことです。
- 相手の話を最後まで聞く: 途中で話を遮らず、相手が話し終わるまで静かに耳を傾けましょう。
- 肯定的な姿勢で聞く: 批判したり、否定したりせず、「うんうん」と相槌を打ったり、軽くうなずいたりしながら聞きましょう。
- 共感を示す: 相手の気持ちに寄り添い、「そうだったんですね」「それは大変でしたね」など、共感の言葉を伝えると、相手は安心して話すことができます。アドバイスは求められたときだけにしましょう。
- 簡単な質問をする: もっと詳しく聞きたいことがあれば、「それはどうしてそう思ったんですか?」など、質問をしてみましょう。ただし、尋問にならないように注意が必要です。
ステップ4:感謝を伝える(任意) ワークの終わりに、「今日も一日お疲れ様でした」「話してくれてありがとう」など、感謝や労いの言葉を伝え合うと、より温かい気持ちで終えることができます。
ワークを続けるためのヒントと注意点
- 完璧を目指さない: 毎日できなくても、話す内容がささいなことでも大丈夫です。「やらなければ」と義務感に捉われすぎず、無理のないペースで続けましょう。
- お互いのペースを尊重する: 話すのが得意な人もいれば、そうでない人もいます。話したくない気分の時もあるかもしれません。お互いの気持ちを尊重し、強制しないことが大切です。
- 批判や否定はしない: 相手が話した内容に対して、「そんなこと」「くだらない」などと否定的な言葉をかけたり、相手の人格を否定するような発言は絶対に避けましょう。安心して話せる場であることが継続の鍵です。
- 「聞く」練習をする: 聞くことは意外と難しいものです。相手の話を評価せず、ただ受け止める練習を意識すると良いでしょう。
- ポジティブな側面に焦点を当てる: 問いかけを選ぶ際は、できるだけ日々の良かったことや感謝したことなど、ポジティブな面に焦点を当てることで、ワーク全体の雰囲気が明るくなります。
まとめ:日々の積み重ねが未来を作る
今回ご紹介した「今日を語り合うワーク」は、一見するととてもシンプルです。しかし、この小さな日々の積み重ねが、お二人の間の目に見えない壁を取り払い、再び心を通わせるための確かな土台となります。
すぐに劇的な変化を感じないかもしれませんが、続けることで、お互いの存在をより身近に感じ、安心して気持ちを伝え合える関係性を築いていくことができるでしょう。これは、これからの長い人生をパートナーと共により楽しく、心豊かに過ごすための大切な一歩となるはずです。
ぜひ、お二人で気軽に、そして温かい気持ちで、今日の出来事を分かち合う時間を持ってみてください。