人生の節目に パートナーと振り返る これまでの歩み、これからの二人時間
人生には、いくつかの大きな節目があります。例えば、お子様が独立されて、パートナーと二人きりの時間が増えたという方もいらっしゃるかもしれません。
これまでは子育てや仕事に追われる日々だったのが、少し時間ができて立ち止まったとき、「あれ? パートナーとの会話が減ったかな」「これから二人でどう過ごそうか」と感じることがあるかもしれません。それは決して特別なことではなく、お互いの関係性が新しいステージを迎えているサインなのかもしれません。
この時期に、これまでの二人の歩みを少し立ち止まって振り返り、そしてこれからの時間をどう共に過ごしていきたいか、お互いの心のうちを穏やかに語り合うことは、今後の人生をより豊かにするための大切な一歩となります。
この記事では、人生の節目にパートナーと実践できる、心に寄り添う簡単なワークをいくつかご紹介します。特別な準備は必要ありません。ぜひ、お二人のペースで試してみてください。
なぜ今、「振り返り」と「これからの時間」を語り合うことが大切なのか
人生の節目は、これまでの経験や価値観を再確認し、これから何を大切にしていきたいかを考える良い機会です。パートナーと二人でこの時期を分かち合うことで、以下のような効果が期待できます。
- お互いの理解が深まる: 知っているつもりでも、改めて話を聞くことでパートナーの新しい一面や、大切にしてきたことに気づくことがあります。
- 共通の価値観や目標が見つかる: これまでの経験やこれから大切にしたいことを共有することで、二人で大切にしたいことや、これから一緒にやってみたいことが見えてくることがあります。
- 感謝や労りの気持ちが生まれる: 長い道のりを共に歩んできたことへの感謝や、お互いの頑張りを労う気持ちが自然と生まれます。
- 未来への希望が生まれる: 漠然とした不安が、具体的な「これからの楽しみ」へと変わり、日々の活力につながります。
パートナーと実践する「振り返り」と「これからの二人時間」ワーク
ここでは、ご自宅で簡単にできる3つのワークをご紹介します。一つずつ、ゆっくりと試してみてください。
ワーク1:二人の「人生の出来事マップ」ワーク
これまでの二人の歴史を振り返り、印象に残っている出来事を共有するワークです。
- 目的: これまでの人生で印象に残っている出来事を共有し、お互いの経験や価値観への理解を深めます。
- 必要なもの: 大きめの紙(ノートでも可)、ペン、もしあればカラーペンやシールなど。
- 具体的な手順:
- それぞれで、これまでの人生(二人で一緒に歩んできた期間を中心に)で特に印象に残っている出来事(例:結婚、子供の誕生、引っ越し、転職、旅行、大きな挑戦、大変だった出来事、嬉しかったことなど)をいくつか紙に書き出してみましょう。年代順でも、思いつくままでも構いません。箇条書きでも、簡単な絵や図でも大丈夫です。
- お二人の紙を並べて見ながら、一つずつ共有してみましょう。「この時、こんなことがあったね」「その時、あなたはどんなことを考えていたの?」など、お互いの話に耳を傾けてください。
- 話を聞いて感じたことや、パートナーの意外な一面、新しく知ったことなどを伝え合いましょう。「あの時は大変だったけど、二人で乗り越えられたね」「そんな風に感じていたんだね」など、共感の言葉を添えるのも良いかもしれません。
- 期待される効果: 長い道のりを共に歩んできたことへの感謝や、お互いの経験への理解が深まります。会話が弾むきっかけにもなります。
ワーク2:今、大切にしたいこと「価値観の共有」ワーク
これまでの経験を踏まえ、今そしてこれからの人生で何を大切にしたいかを共有するワークです。
- 目的: 現在、お互いが何を大切にしているのかを共有し、これからの時間の過ごし方のヒントを得ます。
- 必要なもの: 紙、ペン。
- 具体的な手順:
- それぞれで、これまでの人生の経験を通じて「これは大切にしてきて良かったな」「これからも大切にしたいな」と思うこと(例:家族との穏やかな時間、趣味に没頭する時間、健康、学び、友人との繋がり、地域との関わりなど)を3つから5つ程度、紙に書き出してみましょう。
- 書き出したものを二人で共有しましょう。なぜそれが大切だと感じるのか、具体的にどんなことを大切にしているのかなど、理由やエピソードを添えて話すと、より深く伝わります。
- お互いの話を聞いて、共通していること、意外な発見があったことなどを話し合いましょう。「これも大切だね」「そういう考え方もあるんだね」と、お互いの価値観を尊重することが大切です。
- 期待される効果: お互いの価値観や優先順位が明確になり、今後の生活や時間の使い方について考えるきっかけになります。共感や新たな発見を通じて、絆が深まります。
ワーク3:「これからの二人時間」を自由に描くワーク
これまでの振り返りや、大切にしたいことを踏まえ、これからの二人でどんな時間を過ごしたいか、具体的に想像して共有するワークです。
- 目的: これからの二人時間で何をしたいか、どんな時間を過ごしたいかを具体的に想像し、未来への楽しみを増やします。
- 必要なもの: 紙、ペン。
- 具体的な手順:
- それぞれで、「もし時間やお金に少し余裕があるとしたら、これから二人でどんなことをしてみたいか」「どんな場所に行ってみたいか」「どんな一日を過ごしてみたいか」などを自由に書き出してみましょう。小さなこと(例:近所を散歩する時間を増やす)から大きなこと(例:旅行に行く、新しい趣味を始める)まで、どんなことでも構いません。過去に楽しかった二人での経験をヒントにしても良いかもしれません。
- 書き出したものを二人で共有しましょう。「面白そうだね!」「これは難しそうだけど、こんな形ならできるかも?」など、前向きな気持ちで話し合うことが大切です。
- その中で、「これならすぐにでもやってみられるかも」と思うもの、「これから少しずつ準備して挑戦してみたいね」と思うものをいくつか選んでみましょう。選んだものを紙に書いて貼っておくのも良いかもしれません。
- 期待される効果: 未来への楽しみが増え、日々の会話が増えるきっかけになります。二人の共通の楽しみを見つけられる可能性があります。
ワークを行う上でのヒント
- 完璧を目指さない: すべてのワークを一度にやる必要はありません。お二人のペースで、できる時にできる分だけ試してみてください。
- 否定しない: お互いの話や考えを否定せず、「そうなんだね」と受け止める姿勢を大切にしましょう。
- 無理強いしない: 話したくないことや、やりたくないワークは無理に行う必要はありません。「今日はこれくらいにしようか」と気軽に中断しても大丈夫です。
- 普段の会話の中で応用する: ワークで話した内容を、普段の何気ない会話の中で思い出したり、関連づけたりしてみるのも良いでしょう。
まとめ
お子様が独立され、パートナーとの時間が増えたこの時期は、お二人の関係性をより深く、より豊かに育む絶好の機会です。これまでの歩みを共に振り返り、お互いの心のうちを語り合うことで、新たな気づきや感謝が生まれ、これからの二人時間をどう共に過ごしたいか、具体的な楽しみが見えてくるかもしれません。
ご紹介したワークは、あくまでお二人の会話のきっかけづくりです。大切なのは、お互いの心に寄り添い、共に時間を過ごそうとする気持ちです。焦らず、お二人のペースで、心穏やかな時間を過ごしてみてください。
このワークが、これからのパートナーシップをさらに心地よく、豊かなものにするための一助となれば幸いです。