パートナーと始める 心地よい習慣づくりワーク
はじめに:二人の時間、どう過ごしますか?
お子様が独立され、パートナーと過ごす時間が増えたという方もいらっしゃるかもしれません。これからの長い人生を共に歩むパートナーと、さらに心地よく、豊かな時間を過ごしたいとお考えのことと思います。
一方で、「二人きりになると、以前ほど会話が弾まなくなった」「何を話していいか分からず、つい無言になってしまう」といった変化を感じている方もいらっしゃるかもしれません。長年連れ添ったからこその安心感がある一方で、少し寂しさやつまづきを感じることもあるのではないでしょうか。
関係性をより良いものにしていくためには、特別なことよりも、日々の小さな積み重ねが大切です。この変化の時期に、パートナーと二人で、これからの時間を心地よくするための「新しい習慣」を始めてみるのはいかがでしょうか。
この記事では、パートナーと楽しみながら、二人のための新しい習慣を見つけ、始めるための簡単なワークをご紹介します。特別な準備は必要ありません。ぜひ、パートナーと一緒に試してみてください。
なぜ新しい習慣を始めることが関係性改善につながるのか
新しい習慣を二人で始めることは、以下のような点で関係性の改善に役立ちます。
- 共通の時間を意図的に作る: 忙しい日々の中でも、意識的に二人で向き合う時間を持つことができます。
- 自然な会話のきっかけになる: 習慣そのものが会話の種になったり、習慣の時間の中で自然と会話が生まれたりします。
- 一緒に何かを成し遂げる喜び: 小さな習慣でも、二人で決めて続けることで、達成感や一体感が生まれます。
- お互いの存在をより感じられる: 同じ時間、同じ空間で同じことをすることで、パートナーの存在をより身近に感じることができます。
- 日々の生活に彩りが生まれる: マンネリ化しがちな日常に、新しい風を吹き込むことができます。
これらの効果を通じて、自然と会話が増えたり、お互いを気遣う気持ちが生まれたりすることが期待できます。
ワーク:二人で「心地よい習慣」を見つけ、始めてみよう
このワークは、パートナーと話し合いながら、二人の生活に取り入れたい「小さな習慣」を見つけ、実際に始めてみるためのものです。
目的: パートナーと心地よい時間を共有するための新しい習慣を定義し、実践の第一歩を踏み出す。 必要なもの: 紙とペン(なくても大丈夫です。お茶をしながらなど、リラックスできる状態であれば十分です)。 所要時間: 30分〜1時間程度
ステップ1:まずは一人で考えてみましょう(10分程度)
パートナーと話し合う前に、まずはご自身で「二人でこんな習慣があったら良いな」「こんなことをパートナーと一緒にする時間が持てたら嬉しいな」というアイデアをいくつか書き出してみてください。
考えるヒント: * 朝、昼、夜、週末など、どんな時間帯に習慣を取り入れたいですか? * どんな場所で行うのが理想的ですか?(自宅のリビング、庭、近所の公園、カフェなど) * どんなことなら、気軽に、楽しく続けられそうですか?(例:食後にお茶を淹れる、寝る前に音楽を聴く、一緒にストレッチ、朝刊を一緒に読む、散歩、近所への買い物、今日のニュースについて話すなど) * 「こうでなければ」と難しく考えず、「これならできるかも」「これができたらちょっと嬉しいな」と思えることを自由にリストアップしてみましょう。
ステップ2:パートナーとリラックスして話し合う時間を持つ(20分〜30分程度)
ステップ1で考えたことを持ち寄り、パートナーとざっくばらんに話してみましょう。
リラックスできる時間と場所を選び、お茶でも飲みながら、穏やかな雰囲気で始めてください。
「最近、二人で過ごす時間が増えたけれど、何か一緒にできる習慣があったら楽しいかもと思って。どんなことができそうかなと思って、ちょっと考えてみたんだけど…」のように、やわらかい言葉で切り出すのがおすすめです。
- お互いのアイデアを交換しましょう。「あなたはどんなこと考えてみた?」「へぇ、それいいね」といったように、まずは相手の考えを否定せず、興味を持って聞いてみてください。
- 「これはちょっと難しいかな」「これはあまり気が進まないな」といった正直な気持ちも伝え合っても大丈夫です。大切なのは、二人にとって心地よい習慣を見つけることです。
- 話し合いの中から、「これなら二人とも抵抗なく始められそうだね」「これができたら楽しそうだね」と思えるものをいくつか候補として絞り込んでいきましょう。
ステップ3:一つだけ「お試し」で始めてみる(決まったらすぐにでも!)
いくつか候補が出たら、その中から一つだけを選んで、まずは「お試し」で始めてみましょう。
「じゃあ、明日から1週間、夜ご飯の後に10分だけ今日の出来事を話す時間を持ってみようか」 「週末の朝、近所のパン屋さんまで一緒に散歩するの、次の土曜日からやってみない?」
このように、具体的な行動と期間を決めるのがおすすめです。まずは「お試し」という軽い気持ちで始めることで、ハードルがぐっと下がります。
ステップ4:振り返りと調整(習慣を始めた数日後、または1週間後)
お試し期間が過ぎたら、二人で振り返りの時間を持ってみましょう。
- 「あの習慣、どうだった?」「やってみてどう感じた?」
- 「難しかった点はあった?」
- 「続けてみたい?それとも別のことを試してみる?」
良かった点、難しかった点、感じたことを率直に伝え合ってください。もし難しければ、時間帯を変えてみる、少し内容を変えてみるなど、調整を加えてみましょう。あるいは、「やっぱりこれは二人には合わないね」ということであれば、別の候補を試すことも可能です。
大切なのは、二人で「どうしたら心地よく続けられるか」を一緒に考えるプロセスそのものです。
ワークを行う上でのヒントと続けるための工夫
- 完璧を目指さない: 毎日できなくても、毎週できなくても大丈夫です。できた時に「できたね!」と喜び合いましょう。「やろうとしたけれどできなかったね」と笑い合えるくらいの気持ちで臨むことが大切です。
- 小さく始める: 無理な目標は立てないでください。5分でも、10分でも、無理なく続けられる小さな習慣から始めるのが成功の鍵です。
- 楽しむことを優先: 「〜しなければならない」という義務感ではなく、「〜したい」「〜すると楽しい」という気持ちを大切にしてください。
- 柔軟に変化させる: 二人の状況や気持ちは変化します。習慣も、二人のペースに合わせて柔軟に変えたり、新しいものを取り入れたりして構いません。
- お互いの努力を認める: 習慣を続けるためには、お互いの協力が必要です。パートナーが習慣のためにしてくれたこと、努力している点を見つけたら、ぜひ言葉にして伝えてみてください。
まとめ:新しい習慣がもたらす二人の時間
パートナーと新しい習慣を始めることは、特別なイベントではありません。日々の生活の中に、二人が心地よく繋がるための「居場所」を一つ増やすようなイメージです。
たとえ短い時間であっても、意識して二人で同じ時間を共有し、小さな会話を重ねることは、長年連れ添ったパートナーシップに新たな息吹を与えてくれます。それは、今後の人生を共に楽しく過ごすための、大切な土台となるでしょう。
このワークを通じて、ぜひパートナーとあなただけの、心地よい新しい習慣を見つけてください。そして、その習慣が、二人の毎日をさらに豊かなものにしてくれることを願っています。