これからの二人 パートナーと『小さな願い事』を叶え合う簡単ワーク
子供が独立して、二人の時間が増えたけれど…
お子様が巣立たれ、パートナーと向き合う時間が増えたという方もいらっしゃるかもしれません。これからの人生を共に歩む大切なパートナーと、より心通わせ、毎日を楽しく過ごしたい。そう願っていても、「最近、なんだか会話が弾まない」「何を話せばいいのか分からない」と感じることもあるのではないでしょうか。
これまでの二人の関係性には、子育てや仕事など、様々な出来事がありました。そうした役割が一段落した今、改めてパートナーとの関係性を深め、これからの時間をより豊かなものにしていくことは、とても価値のあることです。
ここでご紹介するのは、二人の距離を自然と縮め、会話を弾ませるための簡単で心温まるワークです。特別な準備は何もいりません。お二人のペースで、楽しみながら試してみてください。
『小さな願い事』を伝え合うワーク
このワークの目的は、お互いの「日常の中にある、ささやかだけれど叶うと嬉しいこと」を知り、共有し、そして可能であれば相手の願いを叶えてあげることです。これにより、お互いへの関心が高まり、自然な会話が増え、温かい気持ちが生まれます。
このワークで期待できる効果
- お互いの現在の関心や状態を知ることができます。
- 日常の中にある小さな「好き」や「こうだったらいいな」を共有できます。
- 相手を思いやる気持ちが育まれます。
- 感謝の気持ちを伝え合う機会が増えます。
- 二人で一緒に何かをする楽しみが生まれます。
必要なもの
- 紙とペン(それぞれ1枚ずつとペン1本ずつ)
- または、静かに二人で話せる時間
具体的な手順
このワークは、紙に書いて交換する方法と、口頭で伝え合う方法のどちらでも行えます。お二人のやりやすい方法を選んでください。
【紙とペンを使う場合】
- それぞれの「小さな願い事」を書き出す(約5分)
- まず、紙とペンを準備します。
- それぞれ、「最近、ちょっといいな」「こうなったら嬉しいな」と感じる、小さな願い事を3つ書き出してください。
- 例えば、「美味しいコーヒーが飲みたいな」「晴れた日に近所を散歩したいな」「好きなテレビ番組をゆっくり見たいな」「パートナーに肩を揉んでほしいな」「静かな場所で本を読みたい時間があったらいいな」など、日常生活の中で簡単に叶えられるような、ささやかなことです。
- 相手に負担をかけるような、大きすぎる願い事ではないことが大切です。本当に小さな、「もしできたら嬉しいな」というレベルのものを考えてみてください。
- 願い事を交換し、読み合う(約5分)
- 書き終わったら、お互いの紙を交換します。
- 相手が書いた願い事を声に出して読んでみましょう。
- 願い事について話し合う(約10〜15分)
- 相手の願い事について、質問したり、共感したり、感想を伝えたりします。「へぇ、そんなこと考えてたんだ」「これ、私もいいなと思う」「それはどうして?」など、気になったことを聞いてみましょう。
- この時、願い事の良し悪しを評価したり、叶えられるかどうかをすぐに判断したりする必要はありません。まずは「知る」ことを楽しんでください。
- 「叶えてみたい」願い事を選ぶ(約5分)
- 相手の願い事3つの中から、「これなら私にできそう」「一緒にやったら楽しそう」「相手が喜ぶ顔が見たいな」と思うものを、一つ(または無理のない範囲でいくつか)選びます。
- 願い事を叶える計画を立てる(約5〜10分)
- 選んだ願い事を、いつ、どのように叶えるか、二人で話し合って決めます。「今週末の午前中に一緒にカフェに行こうか」「今日の夕食後に肩揉むね」「明日、一緒に散歩に行こうか」など、具体的な行動と日時を決めると実行しやすくなります。
- 願い事を叶え、感謝を伝える
- 計画通りに願い事を叶えます。
- 願い事を叶えてもらった方は、「ありがとう。とても嬉しかったよ」「おかげで気分転換できたよ」など、感謝の気持ちや感想を具体的に伝えてみましょう。
- 叶えてあげた方も、「〇〇が嬉しそうで、私も嬉しかったよ」など、感じたことを伝えてみてください。
【口頭で伝え合う場合】
- 静かで落ち着ける場所と時間を確保します。
- 紙に書く代わりに、それぞれ順番に「最近の小さな願い事」を一つずつ言葉で伝えていきます。全部で3つずつ伝え合うことを目標にしてみましょう。
- 相手が願い事を伝えたら、「紙とペンを使う場合」の手順3以降と同様に、話し合ったり、叶える計画を立てたり、実行したり、感謝を伝え合ったりします。
ワークを続けるためのヒント
- 完璧を目指さない: 3つ全部書けなくても、一つも叶えられなくても大丈夫です。まずは始めてみること、そして続けることが大切です。
- 定期的に行う: 週に一度、または月に一度など、お二人で「この時間に行おうね」と決めておくと習慣になりやすいです。
- プレッシャーにしない: あくまで「小さな」願い事です。義務ではなく、お互いを思いやる優しいコミュニケーションの一つとして捉えましょう。
- 叶えられない願い事があっても大丈夫: 時には事情があって叶えられない願い事もあるかもしれません。その場合も、責めたり落ち込んだりせず、「これは今は難しいけれど、次は違う願い事を教えてね」といった柔軟な気持ちで向き合いましょう。
まとめ
子供の独立は、ご夫婦の関係性にとって新しいスタートの機会です。これまでの関係を大切にしながらも、これからの時間を二人でどう過ごしていくか、改めて向き合う良い機会と言えます。
ご紹介した『小さな願い事』ワークは、特別な道具やスキルは必要ありません。ほんの少しの時間を使って、お互いの日常に優しく目を向け、願い事を伝え合うことから始まります。そして、それを叶え合うという温かい循環が生まれることで、自然と会話が増え、お互いへの理解や感謝が深まり、二人の間の空気が温かくなっていくのを感じられるはずです。
関係性の再構築は、難しく考える必要はありません。このような小さな一歩を重ねていくことが、これからの人生を共に楽しく、心穏やかに過ごすための確かな土台となるでしょう。ぜひ、お二人のペースで、このワークを試してみてください。