年齢を重ねて気づく パートナーの隠れた「強み」発見ワーク
導入:これからを共に歩むために、改めて知る「パートナーの素敵」
お子様が独立され、パートナーと二人きりの時間が増えた方もいらっしゃるかと思います。これまでは子育てを中心に回っていた生活が一段落し、ふとパートナーと向き合った時に「あれ、会話が弾まないな」「この先、二人でどう過ごしていこうか」と感じることもあるかもしれません。
これからの長い人生を、お互いを大切にしながら、より楽しく、心豊かに過ごしていくためには、パートナーとの関係性を改めて見つめ直し、より良いものにしていくことが大切です。そのためには、特別なことや難しいことではなく、日々の小さな積み重ねが大きな力になります。
今回ご紹介するワークは、パートナーの良いところに改めて目を向け、特に「強み」や「得意なこと」に焦点を当てるものです。長年一緒にいると、良い意味でも悪い意味でも「当たり前」になってしまいがちな相手の良い面に、意識的に気づく練習をします。これは、お互いを尊重し、肯定的な関係を育むための第一歩となります。
特別な準備や道具は不要です。ご自宅で、お二人がリラックスできる時間に、ぜひ試してみてください。
ワーク:パートナーの「強み・得意」を見つけ合う
このワークの目的は、お互いの「強み」や「得意なこと」に意識的に気づき、それを言葉にして伝え合うことです。これにより、お互いへの肯定的な関心が高まり、新たな尊敬や感謝の気持ちが生まれることが期待できます。
目的: * パートナーのポジティブな側面(強み、得意なこと)に改めて気づく * 相手への肯定的な関心を高め、尊敬の念を育む * お互いを認め合うことで、関係に安心感と温かさをもたらす
必要なもの: * 紙(またはノート)とペン * お二人で落ち着いて話せる時間と場所
手順:
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準備(10分程度):
- お二人はそれぞれ別の場所(同じ部屋でも、少し離れていても構いません)で、紙とペンを用意します。
- 「パートナーの強みや得意なこと」を思いつく限り書き出してみましょう。
- 「強み」とは、何かを上手にこなす能力や、困難な状況でも発揮される良い性質のことです。「得意なこと」とは、人よりも楽にできたり、好きでよくやっていたりすることです。
- 例えば、「いつも冷静に物事を判断できる」「困っている人に自然と手を差し伸べる」「料理の片付けが早い」「庭の手入れが丁寧」など、大げさなことである必要はありません。日常の「当たり前」に思えている中に隠れていることが多いです。
- 具体的に「〇〇の時に、△△な様子を見てそう感じた」というエピソードを添えて書くと、後で話し合うときに分かりやすくなります。
- いくつ書かなければならないというルールはありません。思いついた数だけ自由に書いてみましょう。
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共有(15分〜):
- お二人で向き合って座ります。
- 順番に、自分が書いた「パートナーの強みや得意なこと」を読み上げながら、相手に伝えます。
- 伝えられた側は、まず静かに耳を傾けましょう。途中で口を挟まず、最後まで聞くことに集中します。
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感想と簡単な会話(10分〜):
- 全てを聞き終えたら、伝えてくれたパートナーに感謝の気持ちを伝えましょう。
- そして、伝えられた内容について、簡単な感想や質問をしてみましょう。例えば、「〇〇が得意だと思ってくれていたんだ、嬉しいな」「△△な時に私の強みを感じてくれたんだね、自分では気づかなかったよ」「具体的にどんな時に私が〇〇しているのを見てそう感じたの?」などです。
- ここで大切なのは、内容の正しさを議論したり、否定したりしないことです。「そんなことないよ」と謙遜しすぎるのも、せっかく伝えてくれた相手の気持ちを少し残念にさせてしまうかもしれません。素直に受け取る練習をしてみましょう。
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振り返りとこれから(5分〜):
- お互いに「強み・得意」を伝え合った後、今回のワークを通じて感じたことを簡単に話し合ってみましょう。
- 「パートナーがこんな風に自分のことを見てくれていたんだと知れて嬉しかった」「改めてパートナーの良い面に気づく機会になった」など、率直な気持ちを共有します。
- もし可能であれば、お互いの強みや得意なことを、これからの二人の生活の中でどう活かせるか、軽く話し合ってみるのも良いでしょう。「あなたが〇〇が得意だから、今度一緒に△△をやってみようか」「あなたがいつも□□してくれるから、私は安心して◎◎ができるよ」といった具合です。
ワークを続けるためのヒント
- 完璧を目指さない: 最初から多くの「強み」を見つけようと気負う必要はありません。一つでも二つでも、心に留まったことを伝えることから始めましょう。
- 日常に溶け込ませる: 特別な時間を作るのが難しければ、例えば食事の後やお茶を飲んでいる時など、リラックスした時間に行うように意識してみましょう。
- 小さなことでも良い: 「洗濯物を畳むのが丁寧」「朝早く起きられる」「人の話をしっかり聞ける」など、日常の何気ない行動の中にも「強み」や「得意」は隠れています。
- 記録をつける: 書き出した紙やノートは捨てずに取っておきましょう。時間が経ってから見返すと、関係性の変化を感じられたり、忘れていた良い面に再び気づけたりすることがあります。
- 感謝の言葉を添える: 強みを伝えるだけでなく、「いつも〇〇してくれてありがとう」といった感謝の言葉を添えると、より温かい雰囲気になります。
- 頻度を決める: 例えば「週に一度、このワークの時間を設ける」など、無理のない範囲で継続する頻度を決めておくと、習慣になりやすいかもしれません。
まとめ:ポジティブな関心が、二人の未来を明るく照らす
この「パートナーの強み・得意」を見つけ合うワークは、派手さはありませんが、お互いへの肯定的な関心を育むための非常に効果的な方法です。ネガティブな側面に意識が向きがちな時でも、意図的にポジティブな面に目を向けることで、関係性の見え方が変わってきます。
長年連れ添ったパートナーだからこそ、知っているようで知らなかった一面や、当たり前すぎて気づいていなかった素晴らしさがきっとあるはずです。このワークを通じて、お互いを改めて認め合い、尊敬し合う関係を深めることは、これからの人生を二人で力を合わせ、楽しく乗り越えていくための大きな支えとなるでしょう。
小さな一歩から始めて、お二人の関係がより温かく、豊かなものになることを願っています。