パートナーと穏やかに語る あなたの「大切にしていること」
子供が独立し、二人の時間が増えた今だからこそ
お子様が巣立たれ、ご夫婦やパートナーと二人きりの時間が増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。これまで子育てを中心に回っていた日常が落ち着き、これからの人生をどのようにパートナーと共に歩んでいくか、改めて考える機会かもしれません。
一方で、「気がつけば、会話が減ってしまった」「何を話せばいいのか分からない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。毎日一緒にいても、お互いの考えていることや感じていることが分からず、少し寂しさを感じている、そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今後の人生を共に楽しく、心豊かに過ごすためには、お互いの気持ちや考えを改めて共有し、関係性を少しずつ深めていくことが大切です。本日は、ご自宅で簡単に、特別な準備なく実践できるワークをご紹介します。お互いの「大切にしていること」を知ることで、新しい発見や、心温まる時間に繋がるかもしれません。
ワーク:あなたの「大切にしていること」を語り合う時間
このワークは、お互いが人生の中で何を大切にしているのか、これから何を大切にしていきたいのかを共有することで、相互理解を深め、会話のきっかけを作ることを目的としています。
目的
- パートナーの価値観や考え方を知る。
- お互いの内面に触れ、理解と共感を深める。
- 会話が生まれるきっかけを作る。
- 今後の二人の関係や、共に過ごす時間について考えるヒントを得る。
必要なもの
特に準備は必要ありません。リラックスして話せる時間と場所があれば十分です。もし、書き出す方が考えやすい場合は、紙とペンをご用意いただいても良いでしょう。
具体的な手順
さあ、パートナーと一緒にこのワークを試してみましょう。難しく考える必要はありません。穏やかな気持ちで取り組んでみてください。
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一人の時間で考える: まずは、お一人ずつ、ご自身の心に問いかけてみましょう。「あなたがこれまでの人生で大切にしてきたこと」「これから、特に大切にしたいこと」は何でしょうか。いくつか思いつくままに心の中でリストアップするか、紙に書き出してみてください。 例えば、以下のようなことかもしれません。
- 家族との温かい時間
- 心身の健康
- 趣味や好きなこと(例: 読書、散歩、ガーデニングなど)
- 友人や人との繋がり
- 学びや新しい発見
- 自然に触れる時間
- 静かで穏やかな時間
- 感謝の気持ちを持つこと
- 人の役に立つこと
- 経済的な安定
- など、どんな小さなことでも構いません。3つでも5つでも、思いつく数で大丈夫です。
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なぜそれが大切なのか、少し考えてみる: リストアップしたそれぞれについて、「なぜそれが自分にとって大切なんだろう?」と、簡単な理由や、それにまつわるエピソードなどを少し考えてみましょう。深く掘り下げる必要はありません。
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二人で向き合い、順番に語り合う: お互いに準備ができたら、二人で向き合って座りましょう。どちらから始めても構いません。一人が、自分が大切にしていることリストの中から一つ、またはいくつかを選んで話します。
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相手の話を「聞く」ことに集中する: 話を聞く側は、ただひたすら、相手の話に耳を傾けてください。途中で口を挟んだり、自分の意見を言ったり、評価したりすることは避けましょう。相手が話し終えるまで、じっと聞く姿勢が大切です。相手の言葉を受け止めることに意識を向けましょう。
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感謝を伝え、優しく質問する(もしあれば): 話し終えたら、「話してくれてありがとう」と感謝を伝えましょう。そして、もしもっと詳しく知りたいことがあれば、「〜について、もう少し聞かせてもらっても良いですか?」のように、責めるのではなく、知りたいという気持ちを込めて優しく質問してみましょう。相手が話したくない場合は、無理強いしないでください。
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役割を交代する: 一通り話し終えたら、今度はもう一人が、ご自身の大切にしていることをパートナーに語ります。聞く側は、先ほどと同じように、ただ聞くことに集中しましょう。
このワークの効果
このワークを実践することで、以下のような効果が期待できます。
- 会話が増える: 日常の出来事だけでなく、少し内面的なことについても話すきっかけが生まれます。
- 相手の意外な一面を知る: 長年連れ添ったパートナーでも、何を「大切」にしているかは意外と知らないものです。新しい発見があるかもしれません。
- 理解と共感が深まる: 相手の価値観や考え方の背景を知ることで、「だから、あの時あんなことを言ったのか」「こういう人なんだな」と、より深く理解できるようになります。
- 今後のヒントになる: お互いが大切にしていることを知ることで、これからの二人の時間をどう過ごしていくか、どんなことを一緒に楽しめるかなどのヒントが見つかるかもしれません。
- 心の距離が縮まる: 自分の大切なことを話す、そして相手の大切なことを聞くという行為は、お互いの心に寄り添う時間となり、心の距離を縮めることに繋がります。
ワークを行う上でのヒントと続けるための工夫
- リラックスできる雰囲気で: テレビを消し、落ち着いた場所で、お茶でも飲みながら、ゆったりとした気持ちで行いましょう。
- 正直な気持ちで: 飾らず、ご自身の素直な気持ちや考えを話すことが大切です。
- 無理強いはしない: 話したくないことや、まだ言葉にならないことは、無理に話さなくて大丈夫です。「今は話せないな」と伝えても構いません。
- 否定的な言葉は避ける: 相手が話した内容に対して、「それは違うんじゃない?」「そんなこと気にしてるの?」といった否定的な言葉や態度を取ることは避けましょう。
- 定期的に行ってみる: 一度で全てを分かり合う必要はありません。季節ごとや、何か区切りがついた時など、定期的にこのワークや、それに類することを話す時間を持ってみるのも良いでしょう。話す内容はその時の気持ちに合わせて変わっても構いません。
- 感謝の気持ちを忘れずに: 相手が話してくれたこと、そして自分の話を聞いてくれたことへの感謝を言葉にしましょう。
まとめ:小さな一歩が未来を紡ぐ
パートナーとの関係性は、日々のコミュニケーションの積み重ねによって育まれます。特に、お子様が独立されてからの時間は、お二人の関係を再構築し、今後の人生を共に豊かにしていく大切な時期です。
今回ご紹介したワークは、難しく考える必要はありません。お互いの心に少しだけ耳を傾ける、その小さな一歩から始めてみてください。お互いが「何を大切にしているか」を知ることは、相手をより深く理解し、尊重することに繋がります。それは、お二人の間に穏やかな信頼感を育み、これからの時間をより心豊かなものにしてくれるでしょう。
このワークが、パートナーとの新しい会話のきっかけとなり、お二人の絆がさらに深まることを心から願っています。