パートナーと伝え合う『ごめんね』と『ありがとう』心を通わす簡単ワーク
子供が独立し、パートナーとの時間が増えた今だからこそ
お子様が独立され、パートナーと二人で過ごす時間が増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。共に歩んできた長い年月は、何物にも代えがたい宝物です。一方で、これまでの生活とは変化があり、会話が以前ほど弾まなくなった、なんとなく距離を感じるようになった、と感じることもあるかもしれません。
今後の人生を共に楽しく、心穏やかに過ごすためには、パートナーとの関係性を改めて見つめ直し、より良いものにしていくことが大切です。しかし、どのようにすれば良いのか、特別なことは難しそうだと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、お二人の心が再び通い合い、会話が弾むきっかけとなるような、ご自宅で手軽に実践できる関係性改善ワークをご紹介します。特別な準備は一切不要で、お互いの心に寄り添いながら行える簡単な内容です。
パートナーと心を通わす「ごめんねとありがとう」ワーク
長い時間を共に過ごしていると、お互いの存在が当たり前になり、感謝の気持ちを伝え忘れてしまったり、ふとした行き違いに対して謝る機会を逃してしまったりすることがあるかもしれません。言えずにいる「ごめんね」や、伝えきれていない「ありがとう」は、心のどこかに小さなしこりとなって残ることがあります。
このワークは、お互いに正直な気持ちを言葉にして伝え合うことで、心の距離を縮め、より深く理解し合うことを目的としています。過去を責めるのではなく、未来に向けてお互いの心に寄り添う時間となるでしょう。
ワークの目的
- 普段は照れくさくて言えない「ごめんね」や「ありがとう」を言葉にして伝える。
- お互いの気持ちや努力に改めて気づき、感謝の気持ちを深める。
- 小さなわだかまりを解消し、より清々しい気持ちで関係を続ける。
必要なもの
- 静かに二人で話せる時間と場所
- リラックスできる飲み物など(お好みで)
- (必要であれば)書き出すための紙とペン
具体的な手順
このワークは、お互いが安心して気持ちを伝えられるように、焦らず、穏やかな気持ちで行うことが大切です。
ステップ1:ワークの意図を共有する
まずはパートナーに「二人でこんなワークをやってみない?」と提案し、記事の内容や目的を説明します。「これから二人で過ごす時間を、もっと心地よいものにするために、お互いの心にある感謝や、もしかしたら少し言えていない『ごめんね』を伝え合う時間を持てたら嬉しいなと思って」のように、前向きな気持ちで伝えてみましょう。パートナーが乗り気でない場合は、無理強いせず、また別の機会に提案したり、まずはあなたから感謝の気持ちだけを伝えてみたりするのも良いでしょう。
ステップ2:静かで落ち着ける時間を作る
テレビを消したり、スマートフォンを離したりして、お互いの声にじっくり耳を傾けられる静かな時間を作りましょう。お茶やコーヒーを用意して、リラックスした雰囲気で行うのがおすすめです。
ステップ3:伝えたいことを心の中で整理する(または書き出す)
それぞれが、パートナーに伝えたい「ごめんね」と「ありがとう」を心の中で整理します。どんなことに対して「ごめんね」と思っているのか、どんなことに対して「ありがとう」と感じているのか、具体的に思い浮かべてみましょう。言葉にするのが難しい場合は、紙に書き出してみるのも有効です。箇条書きでも、短い文章でも構いません。
- 「ごめんね」について考えるヒント:
- 過去に言ってしまった、あるいは言えなかった言葉で、もしかしたらパートナーを傷つけてしまったかもしれないこと。
- 自分が無意識のうちにパートナーに負担をかけていたかもしれないこと。
- 約束を守れなかったことや、期待に応えられなかったこと。
- 心配をかけてしまったこと。
- (例:「この間、あなたが疲れているのに気づかずに、自分の話ばかりしてしまってごめんね」)
- 「ありがとう」について考えるヒント:
- パートナーが日々、あなたや家族のためにしてくれている当たり前ではないこと。
- パートナーの優しさや気遣いを感じた瞬間。
- 困難な時に支えてもらったこと。
- 一緒に楽しい時間を過ごせたこと。
- パートナーの存在そのものへの感謝。
- (例:「いつも朝早く起きて準備してくれて、ありがとう。おかげで助かっています」)
無理にたくさんのことを考えようとせず、心に浮かんだいくつかで構いません。
ステップ4:お互いに「ごめんね」を伝え合う
どちらか一方が話し手となり、伝えたい「ごめんね」をパートナーに話します。この時、責めるような口調になったり、相手の「ごめんね」を引き出そうとしたりしないように注意が必要です。あくまで「私はあの時、こう思っていて、あなたにこうしてしまった(あるいは、こうできなかった)ことに対して、今『ごめんね』という気持ちがあります」と、自分の気持ちを伝えることに焦点を当てます。
話し手は正直な気持ちを伝え、聞き手はそれを批判せず、ただ耳を傾けます。途中で口を挟まず、相手が話し終えるまで静かに待ちましょう。
ステップ5:お互いに「ありがとう」を伝え合う
「ごめんね」を伝え終えたら、続けて「ありがとう」を伝えます。これも具体的に、どんなことに対して感謝しているのかを言葉にしましょう。感謝の気持ちは、伝えられた相手の心を温かくします。
ステップ4と同様に、話し手は感謝を伝え、聞き手は静かに受け止めます。
ステップ6:気持ちを受け止めたことを伝える
一通り伝え終わったら、聞き手だった方が、相手から伝えられた「ごめんね」や「ありがとう」を聞いてどう感じたかを伝えます。例えば、「話してくれてありがとう。あの時は全然気にしていなかったけど、あなたがそう感じていたんだね」とか、「いつも感謝しているなんて、改めて聞けてすごく嬉しい」のように、素直な気持ちを伝えましょう。この時も、相手を問い詰めたり、自分の正当性を主張したりすることは避け、「受け止めた」という姿勢を示すことが大切です。
ステップ7:役割を交代して行う
次に、役割を交代して、もう一方が話し手となり、同じように「ごめんね」と「ありがとう」を伝えます。
ステップ8:ワーク全体の感想を分かち合う
お互いに伝え終わったら、このワークを通して感じたことや気づきを分かち合います。「話してみて初めて気づいたことがあった」「聞けて安心した」「少し難しかったけど、話せて良かった」など、率直な感想を共有してみましょう。
このワークを行う上でのヒント
- 完璧を目指さない: 上手に話せなくても、短い言葉でも構いません。気持ちを伝えようとするその姿勢が大切です。
- 責め合いにならないように注意する: このワークの目的は、お互いを許し、感謝し合うことです。過去の出来事を持ち出して相手を責める場ではありません。もし感情的になりそうになったら、一度中断して休憩を取りましょう。
- 無理強いしない: パートナーがどうしても乗り気でない場合は、無理強いせず、またの機会を待ちましょう。まずはあなた一人で、心の中でパートナーへの「ごめんね」と「ありがとう」を思い浮かべるだけでも効果があるかもしれません。
- 定期的に行う: 一度きりではなく、例えば月に一度など、定期的にこのワークを行う時間を持つことで、日頃から感謝や謝罪の気持ちを伝えやすい関係になっていくでしょう。
- 小さなことから始める: 最初は、ごく最近あった小さな出来事についてだけ伝えてみるなど、ハードルを下げて始めてみるのも良い方法です。
期待される効果
このワークを実践することで、お互いの心に触れる温かい時間を持つことができます。普段言えない本音を安心して伝えられるようになり、心の詰まりが解消されることで、よりスムーズなコミュニケーションができるようになるでしょう。お互いの努力や存在への感謝を改めて認識し、関係性の信頼感が深まることで、これからの二人時間をより穏やかで、心満たされるものにしていくことができるはずです。
まとめ
子供が独立し、新たなステージに入ったパートナーとの関係性は、これまでの歩みを大切にしながら、これからをどう共に生きていくかを考える大切な時期です。会話が減ったと感じていても、きっとお互いを大切に思う気持ちはあるはずです。
今回ご紹介した「ごめんねとありがとう」ワークは、特別なスキルや道具がなくても、お互いの心に寄り添いながら実践できる簡単な方法です。過去を癒し、感謝を伝えるこの時間は、お二人の絆をさらに強くし、今後の人生を共に歩む上での確かな支えとなるでしょう。
小さな一歩からで構いません。ぜひ、パートナーと一緒に試してみて、お二人の関係性がより心温まるものへと変わっていくのを実感してください。